2019.09.23 08:00

【野党の会派合流】緊張感ある国会へ責任を

 安倍1強政治の下で目に余る国会軽視にくさびを打ち、国権の最高機関にふさわしい緊張感のある姿を実現できるかが問われる。
 立憲民主党と国民民主党が衆参両院での会派合流に合意した。衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」も加わり、会派の規模は最大で衆院117人、参院61人となる。
 臨時国会を前に、旧民進党勢力が数々のしこりを抱えながらも「1強多弱」を打破するための態勢を優先した形だ。
 自民党からは「民主党への先祖返り」とする一方、対決姿勢の強まりを警戒する声も出ている。今の政治状況を踏まえれば、巨大与党に対抗するために少しでも大きな固まりをつくることは意味があろう。
 合流協議は8月上旬から始まったが、会派人事を巡る主導権争いや、参院選の選挙区で争ったしこりもあって足踏みが続いていた。
 ただ、旧民進党勢力はコップの中で争っている場合かどうか。
 共同通信が今月実施した世論調査で、立民の政党支持率は10・0%と参院選直後より3・5ポイント下がった。国民は1・5%と相変わらずの低空飛行だ。両党とも有権者の信頼や期待の面で、追い詰められている状況をもっと認識した方がいい。
 安倍政権は不都合な事実が出てきた問題は採決の強行で幕を引き、審議を避ける姿勢が目立つ。国会軽視の背景には野党の非力もある。
 森友、加計両学園問題を追及した昨年の党首討論では質問時間が短い上、事前に党首同士が質問をすり合わせた形跡もなかった。外国人労働者受け入れを拡大する法案審議でも徹底追及の立民、対案提出を探る国民と戦略の違いを露呈した。
 会派合流によって、法案審議や質問時間を巡る与野党折衝でこれまでより強気に臨めるのならば、監視機能の向上も期待はできよう。
 立民の枝野幸男代表は、会派合流で政権の選択肢として存在感を示したいと述べている。両党内では次期衆院選での選挙協力を見据え、さらには両党の合併を期待する議員も少なくないようだ。
 しかし、政権の選択肢を目指すのならば、有権者が政権を任せるに足ると思えるだけの政策や社会像の提示が欠かせまい。
 旧民進勢力の分裂は2017年の衆院選前に希望の党が民進議員の一部を排除したことから始まった。踏み絵は安全保障関連法だった。立民が掲げる原発ゼロ基本法案についても、国民側は電力総連の組織内議員を抱えている。路線対立が表面化する懸念は引きずっている。
 合流会派は政府提出法案への賛否について、各党で態度を決める前に事前調整するという。かつての民主党政権が有権者に愛想を尽かされた「ばらばら感」を避け、政策をどう詰めるかも課題になろう。
 国会では首相が主導する改憲論議なども控えている。立法府の正常な姿を示していけるのか。合流会派の責任は重い。  

カテゴリー: 社説

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