2019.09.19 08:00

【ラグビーW杯】最高峰の試合を楽しもう

 楕円(だえん)球を抱えた大柄な男がグラウンドを突進し、そこに強烈なタックルが襲う。力がぶつかり合うスクラムに長い距離の正確なキック―。
 多くのラグビーファンらが待ちかねたワールドカップ(W杯)日本大会が、あすいよいよ開幕する。4年に1回の世界最高峰の大会で日本での開催は初めてだ。
 2連覇中のニュージーランドやラグビー発祥の地イングランドのほか、イタリアやフランスなど欧州の強国、いずれも過去2回優勝している南アフリカとオーストラリアなど20チームが出場する。
 W杯は過去8回、欧州や南半球の国で開かれ、アジアが舞台になること自体が初めてだ。この歴史的な大会での日本代表の活躍を期待しつつ、11月上旬までの約1カ月半、世界最高の技術と力、速さを思う存分楽しみたい。
 前回のイングランド大会で日本は、南アフリカから大金星を挙げるなど計3勝したものの、ベスト8入りを逃した。
 リーチ・マイケル主将が率いる今大会の日本代表は「史上最強」との呼び声がある。強豪国に比べて体格は大きくないかもしれない。しかし、「ワンチーム」のスローガンの下、結束力が大きな武器だ。
 計4組(各5チーム)ある1次リーグを2位以内で通過し、前回果たせなかった8強入りが日本の目標だが、同じ組は強敵ぞろいだ。
 アイルランド、スコットランドはいずれも世界トップクラスの強豪で、簡単に勝てる相手ではない。ランキングが日本より低いとはいえ、サモアとロシアも油断できるチームではないだろう。
 W杯前哨戦となるパシフィック・ネーションズカップ(PNC)では難敵のフィジーなどを相手に日本は3連勝した。開催国ならではの「熱い声援」を味方に実力を十分発揮してほしい。
 日本戦以外にも楽しみは多い。
 ニュージーランド対南アフリカ、イングランド対フランス、ウェールズ対オーストラリアなど強豪同士の試合が組まれている。それをスタンドから間近に観戦できるのが開催国の特権だ。
 高校生や大学生らの中には、近くで見る「世界の技術」が今後の練習や試合に役立つ選手がいるだろう。指導者の参考にもなるはずだ。
 開幕前には代表チームと各地の市民らとの交流が行われた。これもW杯の魅力の一つだ。
 高知市にはトンガ代表が事前合宿で訪れ、高校生を対象にしたラグビー教室などが開かれた。ラグビーだけでなく、トンガの文化や風習に興味を持った生徒もいたはずだ。
 全国12会場のうち、岩手県釜石市の釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムは大会に合わせて唯一新設された。訪れた外国人客に東日本大震災からの復興状況を知ってもらったり、多くの地域で国際交流の場を設けたり―。期間中、さまざまな方法で人と人とのつながりを深めたい。

カテゴリー: 社説


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