2019.09.14 08:45

鵜来島のアートな交流を紹介 高知市で「龍宮学校」展

左から田中良典さん、岩田舞子さん(高知市北本町3丁目、アートネストYOMO)
左から田中良典さん、岩田舞子さん(高知市北本町3丁目、アートネストYOMO)

写真、資料で活動報告
 「龍宮学校」展が10月6日まで、高知市北本町3丁目のチェルベロコーヒー内「アートネストYOMO」で開かれている。宿毛市の鵜来島で計5回行われたアートプロジェクトの活動報告だ。 

 「龍宮学校」は旧鵜来島小中学校の校舎を拠点にして、2012年から断続的に行われてきた。都会から訪れた人が「生徒」として入学し、島に数日間滞在。「先生」の島民と交流し、さまざまなイベントを通して島の自然や生活を体感する。

 展覧会場には、プロジェクトを運営する「生徒会」のアーティストたちが撮影した写真が並んでいる。8月の太陽に輝く山、青くきらめく海といった島が見せる表情。「先生」と「生徒」との出会い。イメージを連ねて「龍宮学校」のコンセプトを伝えており、活動を記録した資料も見ることができる。

 発起人のアーティスト、岩田舞子さん(35)=東京都=は「鵜来島を訪れると、初めての人でも『懐かしい』と言う。その人の海や山の記憶が、島の風景と重なる。私たちはそれを“代替記憶”と呼んでいます。島で過ごすことが“追憶”になるのです」。

 失われそうなものの“復活”もテーマで、台風で通れなくなった道や掲示板の改修、古びた屋根のペンキ塗りなども行ってきた。

閉校した鵜来島小中学校の校舎に、1980年代の運動会映像を投影。島民や出身者が思い出に浸った(2017年8月、宿毛市)=「龍宮学校」提供
閉校した鵜来島小中学校の校舎に、1980年代の運動会映像を投影。島民や出身者が思い出に浸った(2017年8月、宿毛市)=「龍宮学校」提供

 中でも盛り上がったのは、校舎の壁を使ったプロジェクションマッピング。田中良典さん(40)=東京都=が鵜来島小中学校に残されたままになっていた1980年代の運動会のビデオテープをデジタルデータ化。出身者が多く帰省していた盆踊り会場で投影した。

 「島に“物”の作品を残すのではなく“事”を残す。人のつながりがアート」と岩田さん。アーティストが社会と関わり、人々の意識や行動に変化を起こす「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」の試みと位置付けている。

 同ギャラリーは火曜、水曜は休み。

22日に「未来会議」
 関連のトークイベント「日本未来会議」が22日午後4~7時、同市南金田の蛸蔵(たこぐら)で行われる。鵜来島の住民と岩田さんらがこれまでの活動を振り返り、島の未来について語り合う。

 参加は予約制で千円(関連冊子付き)。「アートネストYOMO」のホームページから予約できる。同ギャラリーへの問い合わせは088・879・6820へ。(田村文)

カテゴリー: 文化・芸能幡多高知中央

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