2019.09.13 08:39

老人クラブピンチ!?(1) 高知県加入率9% 違和感強い「60歳以上」

 高齢者のための組織「老人クラブ」の衰退が著しい。高知県の加入率は1977年の49・5%をピークに年々下がり、本年度は県全体が9・0%、高知市は4・9%となった。関係者は「このままでは消滅しかねない」と危機感を募らせる。

 高知県の会員数は最高が1985年の1356クラブ、7万6454人。本年度は715クラブで2万6198人=グラフ。クラブ数は半減、会員は3分の1となった。

 事情は全国も同じ。全国老人クラブ連合会によると、1998年度の877万人を最高に、昨年度は548万人だ(加入率は出してない)。

 衰退を止めるため、全国老連は2014年度から5年計画で「100万人会員増強運動」を実施。積極的な声掛けを奨励したが、結果は逆に105万人減。47都道府県で増加は皆無。高知県でも6272人減った。

 全国老連はこの7月、運動の総括を出したが、それによると、単位老クラブの17%が「知らなかった」「取り組まなかった」と判明。「組織存続への危機感を禁じ得ない憂慮すべき事態」と危惧している。

 老クは以前から「まだ、年寄りじゃない」「名称が悪い」と敬遠されがちだったが、近年は60歳過ぎても働くのが一般的。日本老年学会なども2017年1月、「高齢者の定義は75歳以上に見直しを」と提言しているほどだ。

 また、趣味や価値観も多様化し、文化教室、スポーツクラブの充実で選択肢が増え、「健康・友愛・奉仕」を三大テーマとする老人クラブ活動の存在感は薄れている。

 そんな時代の変化にもかかわらず、入会資格は「おおむね60歳以上」という従来通りの枠組みで計算すれば、加入率が余計に下がるのは当然。自らイメージを悪くしている格好だが、対象年齢を上げる動きはないという。

 ただ、魅力が薄れたといっても、行動範囲の限られた人にとっては老人クラブは貴重な存在。「いきいき百歳体操は人気が高く、高齢者の健康維持に役立っているのは間違いない。老人クラブがなくなったら大変です」と高知市老連の浜田裕事務局長(65)。団塊の世代が全員、後期高齢者(75歳以上)となる2025年を「ヤマ」と見ており、「この方たちが入ってくれて、『自分らでこうやりたい』という動きが出てくれば面白くなるはず」と期待するが…。

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 15日から「老人週間」。半世紀以上も前に、定年後の生きがいづくり、健康増進のために国が法律で支援を決めた老人クラブだが、今、存続の危機にある。次回からは3人の関係者に話を聞く。(編集委員・掛水雅彦)

老人クラブ
 戦後、各地で誕生し、1962年に全国老連設立。健康・友愛・奉仕活動を柱に、知識や経験を生かし、地域を豊かにする社会活動の展開なども期待される。1963年、老人福祉法施行で、老人クラブへの行政支援が決まり、1クラブに年間数万円の活動費が出ている。

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