2019.09.01 08:00

小社会 二百十日

 歌人の与謝野晶子が1914年に書いた随筆に「台風と云(い)ふ新語が面白い」とある。従来の慣用語に「野分(のわき)」があるが、「野分には俳諧や歌の味はあるが科学の味がない」。

 きょうは「二百十日」。立春から210日目に当たり、台風シーズンと重なる。暴風が吹くと稲の収穫が台無しになるので、農家にとって厄日とされてきた。

 この二百十日前後に吹く暴風が野分になる。〈吹き飛ばす石は浅間の野分かな〉芭蕉。昔の人は傍若無人に吹き荒れる風に自然への畏怖を、通り過ぎた後の荒涼とした風景にも情感を見いだしたようだ。

 ただ「科学の味」でいえば、野分と台風はやや異なる。天気図がなかった昔は熱帯産の台風の影響も含めて、秋の強風すべてを野分と呼んだという。「同じ言葉でも、時代が進み、詳しいことが分かってくると内容が違ってくる」(高橋浩一郎著「新お天気百話」)。

 温暖化の折、情感どころではなくなってきたのが昨今の災害だろう。将来は極めて強いスーパー台風が日本を襲う危険もいわれる。航空機で台風内部を調べる研究者によると、現状でも衛星画像を解析した推測と実際の勢力などに誤差がある。情報が増えたはずの台風も、まだまだ分からないことだらけという。

 思えば、高知県民は風水害だけでなく、メカニズムが解明されていない南海トラフ地震とも向き合っている。警戒を怠らぬよう。ことしの二百十日は防災の日。


9月1日のこよみ。
旧暦の8月3日に当たります。かのと うし 二黒 仏滅。
日の出は5時39分、日の入りは18時32分。
月の出は7時22分、月の入りは20時02分、月齢は1.7です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で0時54分、潮位63センチと、13時18分、潮位18センチです。
満潮は6時53分、潮位214センチと、19時38分、潮位207センチです。

9月2日のこよみ。
旧暦の8月4日に当たります。みずのえ とら 一白 大安。
日の出は5時40分、日の入りは18時31分。
月の出は8時32分、月の入りは20時39分、月齢は2.7です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時35分、潮位56センチと、13時57分、潮位35センチです。
満潮は7時40分、潮位208センチと、20時10分、潮位202センチです。

カテゴリー: 小社会コラム


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