2019.08.21 08:33

薬物依存は特別ではない 高知東生さん体験講演へ8/30に予防イベント

「体験を話して、自分で気付くこともたくさんある。治療の一環でもあります」と話す高知東生さん(東京都中央区)
「体験を話して、自分で気付くこともたくさんある。治療の一環でもあります」と話す高知東生さん(東京都中央区)
 「薬物依存は身近に潜んでいる。特別な人だけじゃない」―。高知市出身の俳優で、覚醒剤の使用などで逮捕された高知東生(たかち・のぼる)さん(54)が30日、高知市での依存症予防イベントで自らの体験を語る。現在は講演や動画配信を通して啓発を続けており、「自分の経験を生かしてほしい」と登壇への思いを高知新聞に語った。 

 高知さんは中学生でシンナーを吸い、上京後の20歳ごろ、マリフアナと覚醒剤を使用し始めたという。2016年に覚せい剤取締法違反容疑などで逮捕され、懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を受けた。

 事件後、依存症の専門医の診察を受けながら、依存症患者らが体験を語り合う自助グループにも通い、回復への努力を続けている。

 今年3月から一般向けに自らの体験を語り始めた。講演に加え、動画投稿サイト「Youtube(ユーチューブ)」で「たかりこチャンネル」と題した動画も配信し、依存症患者への医療支援の必要性などを訴えている。

 高知へは墓参りなどで欠かさず帰省していた。逮捕されてからは「『高知』という名を名乗って仕事していた分、どうしても帰れなかった」。今回の講演も「最初はちゅうちょがあった」という。

 ただ、よさこい祭りへの参加や県民性を扱う番組への出演も重ねてきた。「自分と高知は切り離せない」という思いや、薬物依存は特別な世界の話ではなく、「田舎から都会に出た若者なら誰でも可能性がある」という実感もあった。「誰かのために自分の経験が役立つならば」と登壇を決めた。

 「釈放された当初は死のうと思ってた」という。「今はおかげさまで、周りの人にも恵まれている」と明るい表情も見せ、こう呼び掛けた。

 「30日は依存症予防教育について、専門家がたくさん語る。水際にいる子どもたちを救いたい。支援している人たちも、単純に興味のある方も、たくさん来てほしい」

高知さん主治医ら 専門家4人も講演
 高知さんらが登壇する「『ダメ、絶対』だけではない依存症予防教室モデル授業in高知」は30日、高知市本町1丁目の高知商工会館で開かれる。

 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の医師で、高知さんの主治医の松本俊彦さんら専門家4人と高知さんが登壇。ギャンブルやインターネット、アルコールなどの依存症を防ぐため教育現場で必要な知識を講演する。

 公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」の主催。ギャンブル依存症問題を考える会Webサイトから参加を申し込む。問い合わせはギャンブル依存症問題を考える会(03・3555・1725)へ。(竹内悠理菜)



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