2019.08.05 08:00

【英語の学テ】把握した弱点克服に力を

 意思疎通する上で大切な英語の「話す力」などに課題あり―。そんな結果が改めて示された。教員増やカリキュラムの工夫など、弱点克服への対応策に国や教育現場がさらに力を入れたい。
 本年度の全国学力テスト(学テ)の正答率などを文部科学省が公表した。2007年度に始まった学テは小学6年生の算数と国語、中学3年生の数学と国語のそれぞれ2教科で毎年実施してきた。
 10年以上がたち、全国と県内の児童生徒ともに知識活用が苦手との結果が出ている。19年度もその傾向に大きな変化はなかった。基礎的な知識を基に活用力をどう伸ばすか。授業改善を加速する必要がある。
 今回注目したいのは、初めて導入された中学3年生の英語だ。
 「読む・聞く・書く・話す」の4技能についてそれぞれ出題された。「読む」56・2%、「聞く」68・3%の平均正答率に対して、「書く」46・4%、「話す」は30・8%と相当な開きがあった。
 たとえば「書く」には、こんな問題があった。学校を表す案内用図記号が二つ示され、どちらが外国人旅行者に分かりやすいか、自分の考えを25語以上でまとめなさい―。
 一つの案内記号が「正解」というわけではなく、それぞれの良さや難点を簡潔に説明しなければならない。正答率は2%未満で、基本的な単語や文法を活用した表現ができていないと文科省は分析している。
 問題は英語力だけだろうか。英語で考える以前に自分の思いを日本語でうまくまとめることができただろうか。正答率がこうも低いと国語力も心配する。
 教科の枠を超えて力を伸ばしてこそ、全体の学力はアップするはずだ。むろん、問題の良しあしもあっただろう。どこでつまずいたのか、それぞれの学校で詳しく分析して授業に生かしてほしい。
 平均正答率が最も低かった「話す」では、2人の会話を聞いて即興で質問する問題の正答率が特に低かった。この問題も正解は一つではない。さまざまな状況で臨機応変に自らの思いを主張できる力があるかどうかが試された。
 外国語指導助手(ALT)や英語教員との会話に各校とも力を入れている。それでもALTらと触れ合う時間は十分だろうか。生徒によって実力が違い、指導は一律ではいかない。だからこそ、きめ細かい指導がないと力は伸びない。そのための教員の加配を求めたい。
 小学校で英語が本格導入され、大学入学共通テストでも民間検定試験が取り入れられるなど来年度は英語を取り巻く状況が変化する。一方で大学入試では参加予定だった「TOEIC」が見送りを決めるなど教育現場は不安を抱えている。小学校でも指導者不足が課題になっている。
 小学校から大学入試まで―。学テの結果を通して、英語教育が置かれた状況を私たちそれぞれで改めて考えたい。

カテゴリー: 社説


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