2019.08.01 08:00

【暑さと熱中症】今夏も「災害」の意識で

 日本列島が梅雨明けとともに厳しい暑さに見舞われている。これからが一年で最も暑い季節だ。熱中症への警戒が怠れない。
 気象庁によると、31日も県内16観測点を含む全国777地点で最高気温が30度以上になる真夏日を記録した。このうち147地点は35度以上の猛暑日だった。
 数日来、熱中症で救急搬送される人も増えている。大阪府では着ぐるみ姿でダンスの練習をしていた男性が死亡した。
 記録的な暑さとなった昨年夏が思い起こされる。気象庁が臨時の記者会見を開き、「命の危険がある暑さ」「災害と認識している」と警鐘を鳴らした。
 ことしは梅雨明けが遅れたこともあって、7月の暑さは昨年より穏やかにも感じられた。高知市も7月上旬と中旬は平均最高気温がいずれも平年を2度ほど下回っている。
 ところが、全国的に梅雨明けが一年で最も気温が高くなる時季と重なり、高気圧の勢力も強まって各地で一気に気温が上がった。専門家は、体が暑さに慣れていない人が多いとみて注意を呼び掛けている。
 厳しい暑さは8月も続く見込みだ。油断せず、この夏も「災害」に備える意識で臨みたい。
 熱中症は気温が高い環境で生じる健康障害の総称だ。体には内部にたまった熱を発汗などで放出する機能があるが、高温や多湿の状態で汗をかき続けると、脱水状態になって体温が下がりにくくなる。
 その結果、意識を失ったり、臓器障害が起きたりして、最悪の場合には死に至る。野外での活動や運動には注意が必要だ。特に高齢者や乳幼児は熱中症になりやすく、屋内でも危険があり、油断できない。
 暑い時間には激しい活動を避けることや、小まめな休憩、水分補給を心掛けたい。我慢せずに冷房で涼むことも大切だ。
 熱中症対策では最近「暑さ指数」が重視されるようになってきた。気温や湿度などから暑さの厳しさを示した指標だ。
 日本スポーツ協会は運動指針で、気温が35度以上または暑さ指数が31度以上は「運動を原則中止」としている。暑さ指数が28~30度でも激しい運動の中止を求めている。
 指数が高い日はスポーツや野外イベントは控えるべきだろう。やむを得ず行う場合には、指導者や主催団体にそれなりの責任と備えが求められる。
 日常生活でも指数31度以上は、高齢者は安静にしていても熱中症発生の危険性が大きいとされる。もちろん指数31度未満でも十分な警戒が必要だ。
 指数は環境省が全国840地点で実測や推定をし、公表している。短期の予報も出しており、その周知や活用を広げていくべきだろう。
 地球温暖化が叫ばれており、酷暑という「災害」は今後、常態化する恐れがある。家庭でも社会でもしっかり「防災」に取り組みたい。
カテゴリー: 社説


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