2019.08.01 08:10

第31回黒潮マンガ大賞 審査評&インタビュー

【審査経過】当落線上は混戦に
「ここがよく描けてますね」。応募作品を見る(右から)カメントツさん、くさか里樹さん、村岡マサヒロさん、八巻和弘さん(高知新聞社=反田浩昭撮影)

 全国から139点が寄せられた第31回黒潮マンガ大賞。くさか里樹さん、村岡マサヒロさん、カメントツさん、八巻和弘さんが選考を担った。ラストイヤーに初参加のカメントツさんは気合がこもった白熱トークを展開し、審査の“台風の目”に。4人のいち押し作品の運命は果たして―。
 
 4人が5点満点で事前評価をし、その合計が高得点の作品から並べて審査を開始。入選以上を7作品選ぶ。
 
 事前評価で最も高い「13点」をゲットしたのは、「聖書のおばちゃん」と「似顔絵屋さんと幽霊さん」。
 
 「審査を忘れて面白く読めたのはこれだけ。親近感もある」(村岡さん)など全員高評価だった「聖書の―」が、頭一つ抜けて大賞に決定。「似顔絵屋さん―」もストーリーなどが好感を集め、準大賞に選ばれた。
 
 他に入選対象となり得る「10点」以上は、ちょうど五つ。このまま決まりかと思われたが、「他にピックアップしたい作品があれば言って」と八巻さんが促し、当落線上は混戦模様に。
 
 次点の「9点」の作品にも入選のチャンスが到来した。「9点」の作品群から、カメントツさんはいずれも高校生の「君の記憶」と「幸せって何だ」とを候補に挙げた。
 
 特に「幸せって何だ」を猛プッシュ。「ここまで描き込みに情熱をかけられる子は伸びる。僕の“可能性賞”なので分かってください! (昨年まで審査員だった)西原(理恵子)さんがいたら絶対こんなこと言えないですけど」と、大先輩を使って笑わせながら頭を下げた。
 
 「確かに10代の子を上げたい気もするな」と八巻さんが賛成し、両方無事入選。他に、昭和風のタッチが審査員を戸惑わせながらも作画技術があった「Mother Man~地上最強の母~」、手堅く物語をまとめた「ゾンビと暮らす」がランクインした。
 
 「自分の言葉にはちゃんと名前を書きましょう」は、オチの表情をカメントツさんが絶賛。「女の子の腹黒さと引き立て合ってる」とくさかさんがうなずくと、「こういう女子腹立ちます」と八巻さんが感情をむき出しにしながら同調した。
 
 入選圏内だった「親子スナップ」は、「胸焼けしないし、スマホでさくっと読むのに良さそう」と村岡さんが推したが、7枠には入らず。応援の意味を込めた「もう一歩賞」で、名前と作品名を紹介することになった。
 
 それならこれも、とくさかさんが指さしたのは「軍人上がりの女子高生」。怪力女子が主人公の学園物ギャグ漫画で「くさか先生、絶対好きだと思った」と爆笑する八巻さん。自身は、県内の専門学校生による「たそがれのその人」を推薦。「アニメーションのように完成されてる」とし、エールを送った。
 
 最後に番外編を。選考には絡まなかったが、カメントツさんは「怪談」(作者73歳)と、「昭和のぢんま」(同69歳)というベテラン勢の2作品について「めっちゃいいです」と力説。黒潮マンガらしい裾野の広さが最後の審査でも光っていた。
 
制作机に座るアロエしげみさん(京都府亀岡市の自宅)

 主人公は、聖書の話をしに家にやって来た中年のおばちゃん。
 
 「賞の締め切りの1週間くらい前に『ポポちゃんはお元気ですか?』って、本当に来たんです」...

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