2019.07.31 08:43

土佐れいほく博たいけん日和(2)焼き畑乗り越え巨木に 土佐町・南川のカツラ

谷あいの空間を占拠するカツラ。胸高の外周は11・7メートル。高さは約20メートルを優に超える(写真はいずれも土佐町南川)
谷あいの空間を占拠するカツラ。胸高の外周は11・7メートル。高さは約20メートルを優に超える(写真はいずれも土佐町南川)

 周囲のスギを寄せ付けない威容だった。何本もの木が身を寄せ合い、まるで空に向かって手を広げているような。土佐郡土佐町南川(みながわ)の山中に、そんなカツラの巨木があった。
 
 この辺りの山では、1950年ごろまで焼き畑農業が盛ん。焼き払った後の灰を肥料として、ヒエを育て、ミツマタを植えた。焼いた土地にはやがて草木が伸び、四半世紀後に再び焼いた。こうして先祖代々、森から少しずつ、少しずつ恵みを受け取ってきた。
「木を守りたい。みんなに知ってもらいたい」と話す中沢良太郎さん
「木を守りたい。みんなに知ってもらいたい」と話す中沢良太郎さん
 
 小さな谷川に生えたカツラが焼かれることはなかったが、周囲の炎で幹は何度も焦げた。傷つくたびに身を守ろうと、たくさんの脇芽を伸ばしてきたのか。カエデを抱き込み、フジのカズラに巻き付かれている。

 地主の中沢良太郎さん(88)は言う。
 
 「あの木にこらえてもろうて、自分は育ってきたようなもの。私の命の恩人のような木です」
 
 静かな森の中。巨木がひっそりと、あなたを待っている。(嶺北支局・森本敦士)
 
【メモ】
 土佐町役場は10月6日、中沢さんのガイドでカツラなどを訪ねるツアーを計画している。問い合わせは町役場企画推進課(0887・82・2450)へ。

カテゴリー: 社会土佐れいほく博嶺北観光


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