2019.07.26 14:30

「天気の子」

映画「天気の子」より
映画「天気の子」より
メガヒットの余韻残る
 メガヒットになり、社会現象も生んだアニメ映画「君の名は。」から3年。新海誠監督が期待の次作として手掛けた、少年少女が主人公のエンターテインメント大作だ。
 
 異常気象によって雨の降りやまない東京。離島から家出してきた高校生の少年、帆高は、母を亡くして弟と暮らしている少女、陽菜と出会う。彼女はある出来事をきっかけに、天気を変えられる不思議な力を得ていた。2人は大都会で生き抜いていくため、晴天の願いをかなえる“晴れ女”の仕事を始めるのだが…。
 
 前作に引き続き、新海監督ならではの澄み切った色彩感覚が堪能でき、壮大な世界観が展開していく。空から滝のように落ちる雨、巻き上がる雲、一転して晴れ上がる青空など、こだわり抜いた気象の表現が圧巻。
 
 帆高と陽菜はさまざまなものから追われる身になり、大人に引き裂かれそうな10代の恋が切なく描かれる。それぞれの声は、参加者2千人を超えるオーディションで選ばれた醍醐虎汰朗と森七菜がフレッシュに好演している。
 
 陽菜は天気を変え続けたせいで、ある代償を払うことに。帆高が命懸けで救いに向かうのだが、少年が泣きわめいているだけに見えて、たくましさや人間的な成長があまり描けていないのが残念だ。
 
 そして大量動員が期待できる作品とあって、ビール、唐揚げ、カップラーメン…。タイアップした企業の商品が実在そのままのデザインで次々に登場する。観客がストーリーに入り込むのにいささか邪魔なほど。
 
 音楽も「君の名は。」でタッグを組んだ「RADWIMPS(ラッドウインプス)」が引き続き担当。重要なシーンで主題歌「愛にできることはまだあるかい」を歌い上げる。
 
 メガヒットになった前作の余韻が残り、そこかしこに影響の大きさが感じられる作品。既に世界140の国と地域での配給が決まっている。(田村文)

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カテゴリー: シネスポット文化


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