2019.06.25 08:00

小社会 衣の下

 食言、という。一度口にした言葉をまた口に入れる意。約束を破ること。うそをつくこと。辞書の例文には、「君子は食言せず」とある。

 近年の政治では、米軍普天間飛行場の移設問題で鳩山元首相の食言が大いに批判された。「最低でも県外」。沖縄の期待を高めた分、事実上の公約をあえなく撤回したのは罪深い。

 ガソリン税の暫定税率廃止、子ども手当の満額支給…。旧民主党は、政権交代時に掲げたマニフェストで実現したのはわずか3割と自己検証した。2012年の衆院選で「決められない政治」と合わせて民意が下した鉄ついは、今なお旧民主党勢力を立ち直らせない。

 国民が知るべきことも、選挙前は説明を避ける今の「君子」はどう表現すべきだろう。最近の新聞紙面にはとかく「参院選後に先送り」の文字が目立つ。将来の給付水準低下がいわれる公的年金の財政検証。国内農業への打撃が心配される日米貿易交渉。難題には次々とふたをする。

 安倍首相が繰り返してきた選挙手法を「衣の下の鎧(よろい)」戦術と評する向きがある。アベノミクスへの期待を前面に押し出して、多数を確保する。戦いが終わってしまえば、白紙委任を得たかのように安全保障関連法や、いわゆる「共謀罪」法などの成立を強行してきた。

 選挙や民主主義のあり方は、いまだ過渡期にあるのかもしれない。有権者は当面、ふたや衣の下まで見抜く力を問われる。


6月25日のこよみ。
旧暦の5月23日に当たります。みずのと み 七赤 先負。
日の出は4時57分、日の入りは19時20分。
月の出は0時02分、月の入りは11時49分、月齢は21.7です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で5時24分、潮位97センチと、17時11分、潮位72センチです。
満潮は10時47分、潮位137センチです。

6月26日のこよみ。
旧暦の5月24日に当たります。きのえ うま 六白 仏滅。
日の出は4時57分、日の入りは19時20分。
月の出は0時31分、月の入りは12時43分、月齢は22.7です。
潮は小潮で、満潮は高知港標準で0時10分、潮位154センチと、12時14分、潮位132センチです。
干潮は6時39分、潮位91センチと、18時15分、潮位82センチです。

カテゴリー: 小社会コラム


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