2019.06.21 08:35

「70万人割れ」の時空 県人口の現在地(上) 苦悩する「限界自治体」大豊町

平成初期に無人になり、草木にのみ込まれた家屋(大豊町角茂谷の峰集落)
平成初期に無人になり、草木にのみ込まれた家屋(大豊町角茂谷の峰集落)

 高知県の人口が戦後初めて70万人を割り込んだことが20日、県の推計で明らかになった。深刻な少子高齢化、都市と地方の格差を背景に、縮み続ける地域を再生することはできるのか。令和の幕開けとともに人口60万人時代に突入した高知県の現在地を探る。

高齢化率県内最高58.4%
 「ここが終点です」

 長岡郡大豊町のJR角茂谷駅から山あいの道を車で走ること約20分。峰集落の男性区長(70)の案内で、標高約700メートルにある民家に着いた。

 柵で囲まれた畑からシカよけ用につけっぱなしにされたラジオの音が響くが、人けはない。暮らしていた女性は、3年ほど前に山を下りた。週2、3回は町外から息子が通い、畑や家を手入れするという。

 ここ峰集落には戦後間もない頃、70戸以上あったそうだが、今は町外から通う人を除けば、2戸4人が暮らすのみ。生え放題の草木にのみ込まれたような家屋も点在する。

 「限界集落はとうに超えちゅう」。“終点”に立つ区長は、達観したような笑顔で話す。

 4年ほど前にUターンした60代と70代の夫婦が地域の草刈りなどをする「道役」に精を出してくれるのが励みだといい、「ぼくは山にずっとおりたい。生きちゅう間は一生懸命おるよ」。

お年寄りの力
 大豊町の高齢化率は県内市町村で最も高い58・4%。町内85集落のうち、74集落で65歳以上の高齢者が半数以上を占めている。...

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カテゴリー: 社会


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