2019.05.27 08:50

【高知県体新聞】自転車 青春懸けた銀輪で圧勝 高知工・諸隈 視線は世界

1000メートルタイムトライアルを1分6秒21の大会新記録で制した諸隈健太郎(高知工)。世界を目指し、さらなる進化に挑む(りょうまスタジアム=久保俊典撮影)
1000メートルタイムトライアルを1分6秒21の大会新記録で制した諸隈健太郎(高知工)。世界を目指し、さらなる進化に挑む(りょうまスタジアム=久保俊典撮影)
 第72回県高校体育大会(県体)第2日は26日、県内各地で26競技を行った。自転車の諸隈健太郎(高知工)は、1000メートルタイムトライアルで1分6秒21の大会新記録をマークして優勝するなど、個人3種目で頂点に立った。
 
 圧倒的な加速力。りょうまスタジアムのバンクに、“一陣の突風”が何度も吹き抜けた。ケイリン、1000メートルタイムトライアル、スプリントの3種目は、どれも諸隈の独壇場。バンク脇の関係者からは「なんぼ、速いがな」とため息が漏れた。
 
 陸上から転向し、本格的に競技を始めてから3年に満たない。体で感じるスピードと、極限状態で戦った結果に付いてくる記録の伸びに引きつけられ、銀輪に青春を懸けることを決めた。通っていた高校を1年生で辞め、専門的な練習ができる高知工に入り直し、選手生活がスタートした。
 
 短距離種目の実力を示す1000メートルタイムトライアルで、次々と県高校記録を更新。1年前の県体で1分8秒62の新記録を出すと、3カ月後の全国大会では1分6秒090に縮める。そして、今春の全国高校選抜大会では1分5秒951をマークして準優勝。天井知らずで記録を伸ばしている。
 
 諸隈の成長は、全国舞台で強力なライバルがいることも影響している。国内主要大会で優勝を重ねる市田龍生都(福井科学技術)は常に諸隈の上を行く。全国選抜大会では1分4秒992の大会新で制し、実力差を見せつけた。
 
 「今はまだ、相手の方が力は上」と素直に認める諸隈だが、高校生世代では2人の実力が飛び抜けている。ハイレベルな争いが続けば、いずれ世界へ向けた戦いも視野に入り、諸隈は「目標はパリ五輪に出場すること」と前を向く。
 
 屈強な選手が多い短距離勢の中で、178センチ、68キロとどちらかといえば細身だ。まだ不安定なスタートダッシュを極めるため肉体改造は不可欠だが、諸隈には鍛えられた精神力という武器がある。
 
 高校再入学を決心した際には、本当に最善な選択かどうかは悩んだという。それでも、「競技に打ち込める生活を選んだからには、中途半端なことはしたくない」と全力で練習に打ち込んだ。時に体が動かなくなるほどのトレーニングを自らに課し、記録を縮める原動力にした。
 
 「競技歴が浅い自分にはまだまだ伸びしろがある。体も鍛えてパワーの絶対値も上げたい」。とにかく、今は自転車の世界に没頭し、ペダルを踏む日々に打ち込むつもりだ。(吉川博之)

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カテゴリー: スポーツ県体2019スポーツ


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