腫瘍細胞を解析した画像について説明する樋口智紀助教(南国市の高知大学医学部)
「ブレーキ役呼び寄せる」 成人の90%以上が感染している「EBウイルス」が、血液がんの一種である悪性リンパ腫を発症させるメカニズムの一端を、高知大学医学部微生物学講座の樋口智紀助教らの研究チームがこのほど解明した。EBウイルスに感染して腫瘍化した細胞が、体を守る免疫機構からどうやって逃れているかを突き止めた。
EBウイルスはヘルペスウイルスの一つで、唾液などを通じて3歳までに半数以上の人が感染する。感染細胞内に潜伏し、まれに胃がんや上咽頭がんを引き起こす。...