2019.05.18 08:40

VRで津波避難意識を 中土佐町久礼 学校で疑似体験

完成したVR映像の一部。養護老人ホーム「双名園」から見た、町に津波が迫ってくる様子(映像の一部をトリミングしています)
完成したVR映像の一部。養護老人ホーム「双名園」から見た、町に津波が迫ってくる様子(映像の一部をトリミングしています)

中央大教授が映像作成
 仮想現実(バーチャルリアリティー=VR)の技術を用いて、高岡郡中土佐町久礼が津波に襲われる様子を疑似体験できるようになった。中央大学の樫山和男教授=土木工学=の研究室が、現実と同じ町並みに最大13メートルの津波が迫ってくる様子を“再現”したもので、町は学校の防災教室などで活用している。

VRで疑似体験する久礼中学生 (中土佐町の久礼中学校)
VRで疑似体験する久礼中学生 (中土佐町の久礼中学校)

 町沿岸部の久礼は南海トラフ地震の津波により、7~10メートルの浸水が想定されている。樫山教授は高潮や津波のシミュレーションを研究する中で、その危険性を分かりやすく伝えられるVR技術に着目。町の防災事業に携わる高知大学の原忠教授との縁もあり、住民への啓発活動に向け、5年前から町並みを撮影するなど現地調査を続けてきた。

 VR映像は、現地で撮影した画像や浸水想定のデータを基に作成。高台にある久礼中学校や津波避難タワー、防波堤など7地点から見た町並みの様子がリアルに再現されており、上下左右360度が見られる。地震発生後20~45分の動きを2分30秒にまとめており、時間の経過とともに役場や住宅地が津波にのみ込まれていく様子が映し出される。樫山教授は「ハザードマップでは津波がどう来るのかが分からない。疑似体験することで、避難行動につなげてほしい」と呼び掛けている。

 8日には久礼中の1年生32人がVRを体験。生徒は臨場感に驚いた様子で、「思った以上に怖い。避難訓練をもっと増やしたらいいと思う」と話した。

 同町総務課危機管理室は、実際には建物が倒壊する危険性があると指摘した上で、「こんな高さの津波が何分で来ると、感覚的に覚えてほしい」。各地の防災学習会で町民に体験してもらうという。(早川健)

カテゴリー: 社会高幡

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