2019.05.11 08:49

沖の島で奮闘の女性看護師 協力隊員・堀口佐和子さん

カルテの入ったリュックサックを背負い診療所出張所へ向かう堀口さん(宿毛市沖の島町弘瀬)
カルテの入ったリュックサックを背負い診療所出張所へ向かう堀口さん(宿毛市沖の島町弘瀬)
通院する島民と談笑する堀口佐和子さん(左) =宿毛市の沖の島へき地診療所
通院する島民と談笑する堀口佐和子さん(左) =宿毛市の沖の島へき地診療所
カルテ背負い患者の元へ
 宿毛市沖の島で、地域おこし協力隊の女性看護師が奮闘している。赴任から丸1年。人口約110人の島民にとって、かけがえのない存在になっている。 

 「おはよう、調子はどう」。沖の島へき地診療所を訪れる島民を笑顔で迎えるのは、看護師の堀口佐和子さん(49)=同市沖の島町母島。「薬はちゃんと飲んでる?」などと話し掛けては、体調相談に応じている。

 土佐清水市出身。東京の看護学校を卒業後、大阪の病院で勤務していた。豊かな自然や人情に引かれ、旅行で八丈島や石垣島などの離島を訪れるうち、「ここで病気になったらどうなる」とへき地医療に興味を持った。

 そんな時、知人が地域おこし協力隊として長崎県の離島に赴任。「自分も」と調べていた2018年1月に沖の島で看護師を募集していることを知った。

 かつて島の診療所には住み込み医師がいたが、医師不足で派遣が難しくなり14年4月以降は不在になった。現在は高知医療センターや幡多地域などの病院から医師が訪れ、週3回程度診察。不在時にはネットで遠隔診療が行われている。市職員の看護師1人が勤務しているが、休日は医療関係者不在の状況が続いていた。

 堀口さんは18年2月に島を訪問。医療の充実を求める島民らと触れ合い「人の温かさに接し、ここで働き地域の役に立ちたい」と決心し、協力隊員として同4月に移住した。

 地元の酒井扶紀子さん(68)は「家族みたいな付き合い。心配事も、いろいろ聞いてもらいやすい」。別の女性も「しけが多く医師が来れん時もあるので、いつも島にいてくれるのはすごい心強い」と頼りにする。

 島南部の弘瀬。ここに診療所の出張所があるが、道が狭く車ではたどり着けない。堀口さんは医師と一緒にカルテを詰めたリュックサックを背負い、急傾斜地の路地を歩いて患者の元へと歩いて行く。

 「人と向き合うのが看護の原点。やりがいを感じる」と堀口さん。島民の酒や塩分摂取の多さに触れ、「本気で心配。より生活に気を配ってもらえるようになれば」と話す。

 協力隊の任期はあと2年だが、「人生を支え、健康を一緒に喜びあえるようになりたい。長く島に住み続けたい」と意欲を見せている。(富尾和方)

カテゴリー: 社会主要幡多


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