2019.03.30 08:39

空海修行の洞窟「御厨人窟」入洞再開 室戸市 4月上旬めどに

金網を張った仮設通路が設置された御厨人窟=左=と神明窟 (室戸市室戸岬町)
金網を張った仮設通路が設置された御厨人窟=左=と神明窟 (室戸市室戸岬町)

金網や仮設通路設置 ヘルメット着用要請も
 弘法大師空海ゆかりの地とされ、落石で立ち入り禁止となっている室戸市室戸岬町の「御厨人窟(みくろど)」と「神明窟(しんめいくつ)」が4月上旬をめどに入洞再開する見通しとなった。落石防止策として市が入り口付近に金網を張った仮設通路を設置するのに加え、入洞者にヘルメットの着用を求めるという。

 御厨人窟は室戸岬東側にあり、青年時代の空海が修行した際に居住したと伝えられる。隣接する神明窟は空海が悟りを開いた場所とされ、双方とも遍路客ら観光客が数多く訪れていた。
 
 いずれも波の浸食作用によって形成された「海食洞」で、巨大地震に伴う土地の隆起で海岸近くから現在の場所に持ち上がったとされることから、ジオパークの見どころの一つにもなっている。
 
 神明窟は2012年10月、御厨人窟では15年11月にそれぞれ落石事故が発生し、市が立ち入り禁止の柵を設置。観光客は離れた場所から眺めることしかできなくなっていた。
 
 入洞再開を求める声が強く、市生涯学習課は落石範囲の調査や浮き石の除去などを実施。岩山をネットで覆う▽石を接着剤で固定する▽コンクリートで固める―などの複数の落石防止案を検討した。
 
 しかし、御厨人窟や神明窟を含めた室戸岬一帯が国指定文化財名勝にあることから、同課は文化庁と協議。文化財そのものに手を加えるなどして価値を損なう方法は認められず、撤去可能な仮設通路の設置に至った。
 
 御厨人窟と神明窟はいずれも民有地で、所有者の了解を得て、今月20日に全長約5メートル、幅約3メートルのスチール製通路を設置。高さ約4メートルの部分に網目約3センチと約5センチの金網を張り、石の落下を防ぐ。支柱は埋めず、重りで固定している。網目より小さな石が落下する可能性もあるため、ヘルメットを用意。入洞者に着用を求め、看板で注意喚起する。
 
 御厨人窟、神明窟の落石は風化によるもので、今後も避けられないという。同課の和田庫治課長は「安全性を考慮した最善の対策として、ご理解と協力をお願いしたい」としている。(馬場 隼)

カテゴリー: 主要社会室戸


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