2019.03.23 08:40

文楽の情感堪能 6代目竹本土佐太夫出身地・安田町公演に380人

人形遣いの吉田玉翔さん=右=らが妙技で楽しませた文楽公演(安田町の町文化センター)
人形遣いの吉田玉翔さん=右=らが妙技で楽しませた文楽公演(安田町の町文化センター)

 大阪文楽界で活躍した6代目竹本土佐太夫(1863~1941年)の出身地、安芸郡安田町で21日、文楽協会(大阪市)による公演が行われた。土佐清水市出身の人形遣い、吉田玉翔(たましょう)さん(43)=大阪府交野市=らの情感あふれる舞台を町内外の約380人が見入った。

 文楽を本格的に楽しんでもらおうと、町教育委員会が町文化センターで無料で開いた。玉翔さんをはじめ、太夫の豊竹呂勢太夫(ろせたゆう)さん(53)ら文楽協会の13人が出演した。「志国高知 幕末維新博」(1月閉幕)の関連企画。

 演目は「壺坂観音霊験記(つぼさかかんのんれいげんき)」で、盲目の夫への妻の献身ぶりを描く1時間ほどの舞台。

 夜ごと家を空ける妻の浮気を夫は疑うが、目の回復を願う妻は寺に参詣していた。2人が心情を吐露する前半や、身投げする後半の見せ場は人形の細やかな動きや迫力の語りなどが観客をくぎ付けに。2人は観音様に救われ、視力が戻った夫が妻に「どなたぢゃえ?」と問うと会場はどっと沸いた。

 夫妻で訪れた町内の南愛さん(66)は「情感のある語り、三味線、人形の動きは人間が演じる舞台と同じ」と満足そう。玉翔さんは「町を挙げた公演で文楽を知らない人に来てもらいありがたかった」と喜んでいた。

 土佐太夫の生涯をたどる企画展が安田まちなみ交流館「和(なごみ)」(町教育委員会主催)で24日まで開催中。鑑賞した呂勢太夫さんは「史料をよく集め、(土佐太夫が)古里を大事にしたことも伝わった」と話した。(北原省吾)

カテゴリー: 文化・芸能安芸


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