2019.03.18 08:00

小社会 お彼岸を前に墓掃除を済ませてきた。すっかり...

 お彼岸を前に墓掃除を済ませてきた。すっかり干からびていた花を新しいものに取り換え、おはぎや果物を供え、雑草を取る。こざっぱりした墓を眺めて、やれやれとひと息ついた。

 若いころは墓参りを渋って親の不評を買ったものだ。それがいつごろからだろう。墓地を訪れるたびに、心の安らぎを覚えるようになったのは。見知ったあの人この人が墓の中から語り掛けてくるような、不思議な気持ちになる。

 彼岸は煩悩に満ちた「此岸(しがん)」のかなたにある西方浄土。春と秋のお彼岸に寺や墓に詣でると、死者は浄土に行けると信じられた(宮田登著「暮らしと年中行事」)。これは仏教の思想だが、インドや中国にはこうした習俗はない。

 柳田国男は日本人の先祖供養のルーツを、仏教伝来以前に見ている。彼岸のころは最も過ごしやすい。特に春は農作業が忙しくなる直前の小休止に当たる。だからこの時季に先祖祭りを行う暮らしが守られてきたという。

 彼岸の墓参が私たちのDNAに刻み込まれたものならば、安らぎを感じるのも当然かもしれない。「あんたらぁの孫の世代になってもお参りに来てくれるろうかねぇ」。墓掃除の途中、近くの墓所から孫らしい青年に話し掛けるお年寄りの声が聞こえてきた。

 「来んなったら無縁墓になってしまうろう。日本人やったら来るがやない」。青年の返事は何とも心強いものだった。きょうは彼岸の入り。


3月18日のこよみ。
旧暦の2月12日に当たります。きのえ とら 三碧 先勝。
日の出は6時13分、日の入りは18時15分。
月の出は15時01分、月の入りは4時11分、月齢は11.5です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で4時36分、潮位154センチと、15時54分、潮位153センチです。
干潮は10時21分、潮位72センチと、22時34分、潮位-3センチです。

3月19日のこよみ。
旧暦の2月13日に当たります。 きのと う 四緑 友引。
日の出は6時12分、日の入りは18時16分。
月の出は16時12分、月の入りは4時59分、月齢は12.5です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で5時15分、潮位166センチと、16時49分、潮位169センチです。
干潮は11時03分、潮位54センチと、23時20分、潮位-10センチです。

カテゴリー: 小社会コラム


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