2019.03.12 18:42

高知の「食」東京でおしゃれに 激務の会社員時代いかして 南国市の女性

東京・日本橋にある高層ビル「日本橋髙島屋S.C.新館」の9階オフィスエントランス。昼どきになると、高知県産の食材を使ったおしゃれなデリを提供する弁当販売店「HealtyDeli(ヘルシーデリ)」にはランチを買い求める客が絶え間なく訪れ「どれにする?」「四万十鶏のサラダがおいしそう」と列ができる。


客のほとんどが、このビルで働くオフィスワーカー。地上35階建て、約30社のオフィスが入るこのビルでは、ランチタイムになるとエレベーターホールは人だかりができるほど混み合い、商品を買うと足早に去っていく。


「昼休憩は10~15分くらいしかとってなかったですね。仕事が忙しくて、食べるより1件でもメールを送りたいと思ってたので…」

こう話すのは「HealtyDeli」を手がける株式会社StoryCrew(南国市)の浅野聡子さん。昨年春から企画を立ち上げ、高知産の食材を使用したオフィス向けサービスを東京で展開。店舗のほか、企業へのランチデリバリーや、ケータリングなど幅広い形で高知の食を届けている。

自社ブランド「イナカデリコ」の商品と、外部から仕入れる弁当が並ぶ「HealtyDeli」
自社ブランド「イナカデリコ」の商品と、外部から仕入れる弁当が並ぶ「HealtyDeli」

新卒入社から約8年間、人材会社リクルートの営業として「朝5時まで働く」ような激務の日々を送っていた。食事は毎日コンビニで済ませ、仕事終わりの深夜のラーメンも定番に。苦しさもあったが、それ以上のやりがいや楽しさがあった。仕事にのめり込み「やり残したことは何もない」と笑顔で言い切る。高知県赤岡出身の夫が家業を継ぐタイミングで、夫婦で東京から高知に移住した。

高知で暮らしてみると、スーパーに並ぶ野菜や果物の質の高さ、素材そのものの美味しさにすぐに魅了された。また、約1年務めた地産外商公社での仕事を通じて、県産食材が高知の外に届きにくい現状を知った。

「食を削って仕事に没頭していた会社員時代を、ふと思い出して。都会で忙しく働く人を、地方の食で支えられたらー」

2016年春に起業。構想期間を経て、オフィスに高知の食を届けるビジネスプランに思い至った。使用する県産食材は、有機にんにくの加工食品などを販売するアースエイド(須崎市)や、フルーツトマトの福永農園(夜須町)など、浅野さんがバイヤーとして自ら足を運んで選ぶ。

提供写真:農家さんと笑顔で写る浅野さん
提供写真:農家さんと笑顔で写る浅野さん

東京に行くと店に立ち、提携する農家らに客の反応をLINEで送るという。「この商品すごい売れてますとか、おいしいって言ってましたとか。写真も撮ってすぐ送るんです。すごい喜んでくれるんですよ。自分が作った野菜が東京のど真ん中に届いてるって、嬉しいですもんね。」


子どもの頃の夢は、英会話スクールの受付のお姉さんだった。「自分が起業するなんて全然思ってなかったし、東京では絶対してない。高知じゃなかったら、ここまでできてないかも。何をするにもいろんな人が助けてくれる。特に女性、はちきんの力はすごいです。もう後戻りできないんで、進むしかないです。」

(株)StoryCrew webサイト:https://www.storycrew.net/
イナカデリコ webサイト:http://inakadelico.jp/

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