2019.03.09 08:00

【コンビニ24時間】全ての店で必要なのか

 24時間いつでも、どこでも開いているコンビニエンスストア。住民らの便利な生活を支え、地域に欠かせない存在になってきている。そのコンビニで、オーナーたちの悲鳴が上がっている。
 コンビニ最大手セブン―イレブンの大阪府東大阪市の加盟店が、未明から早朝の一部時間帯を閉店にした。深刻な人手不足で、従業員が確保できなくなり、24時間フル営業が困難になったためだ。
 だが、セブン本部側はフランチャイズ(FC)契約の違反になると主張。営業時間の短縮を認めず、契約通り24時間営業に戻さなければ、加盟店に契約の解除と違約金約1700万円の支払いを求めると伝えたとされる。
 店側との協議の中でセブン側は、24時間営業を続けるための人員を派遣すると提案したが、店のオーナーは「永続的な対応ではない」と拒んだという。暫定的な対応では追い付かなくなっている、店側の切実な疲弊が浮かぶ。
 コンビニは時代や社会の変化とそのニーズに応えるように、食品などの品ぞろえを充実させてきた。公共料金の支払いや宅配便の取り次ぎなどサービスも拡大。災害時などにも「必ず開いている店」として地域住民らに頼られ、社会インフラの役割も果たしている。
 そうして顧客と店舗が加速度的に増える半面、少子高齢化が招いた人手不足の難題が店の現場を直撃している。24時間営業をこなせるだけの従業員が集められない店は、オーナーや家族がまともに休みも取れない過重労働が常態化している。
 時短営業に踏み切った東大阪市のオーナーの訴えは他のコンビニにも共感を広げ、オーナーでつくる団体はセブン側に24時間営業の見直し交渉を求めた。営業時間の選択制の導入などを提言しているが、時短は店の売り上げ減に直結しかねず、コンビニ本部側は容易に受け入れられないという実情もあろう。
 人手不足の解決が見通せない中、外食産業や宅配業界では長時間営業の見直しやサービス縮小に取り組み始めた企業もある。セブンも一部の直営店と加盟店で24時間営業の見直し実験に乗り出し、収益や作業効率などを検証する。
 4月に関連法が施行される外国人労働者の受け入れ枠の拡大も、人手不足を補う効果は限定的という見方が少なくない。コンビニのオーナーの自助努力に任せるだけでは限界がある。肉体的、精神的に過剰な負担が健康被害なども引き起こしかねない。
 全ての地域、全ての店で一律に24時間営業が求められているのか、個別の事情や繁閑シーズンに応じた営業時間の変更はできないのか、といった柔軟な視点が要るだろう。コンビニはその人気の陰で、店舗持続のための改革を迫られている。
 本部側と加盟店が対立するのではなく、互いに連携し、その将来像を考え出してほしい。
カテゴリー: 社説


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