2019.03.05 08:45

原発自主避難の母子描く 高知市で3/9上映「ふたつの故郷を生きる」

福島から東京へ自主避難した母子の日々を捉えた映画「ふたつの故郷を生きる」
福島から東京へ自主避難した母子の日々を捉えた映画「ふたつの故郷を生きる」
 東京電力福島第1原発事故をきっかけに自主避難した母子を追ったドキュメンタリー映画「ふたつの故郷を生きる」が9日、高知市旭町3丁目のこうち男女共同参画センター「ソーレ」で上映される。

 東日本大震災と原発事故から、もうすぐ丸8年。被災地の復旧・復興が進む一方、被ばくの影響や子どもの生活環境などを考え、避難生活を続ける家族も全国に多くいる。

 社会の周縁に目を向けたドキュメンタリー作品を手掛けてきた中川あゆみ監督が、福島市から東京都内に自主避難した母子を中心に、その家族や支援者らの「今」を記録。公的補償がほとんどない中で、避難生活が貧困問題化している現状を描きだす。

 福島県は2017年3月末で自主避難者への住宅無償提供を打ち切り、当時の復興相は「(不服なら)裁判でも何でもやればいい」と追い打ちをかけるように発言した。映画では、ある母親が心身の調子を崩し、将来を悲観して自死したエピソードが語られ、避難者支援に奔走する男性が現在起きている状況をこう吐き捨てる。

 「日本における弱者切り捨てが、ひどいから。そんな世界の中で急に原発の(避難した)人たちだけさ、救わないんだって。みんな切り捨ててるから」

 母子が暮らす東京の街は、オリンピック・パラリンピックを控えてにぎやかだ。母親は仕事を掛け持ちして生活を支え、子どもたちはたまに会える父親に甘えて、4人で誕生日ケーキを囲む。かけがえのないだんらんの風景が、何かを置いてきぼりにしながら進む復興の在り方を考えさせる。

 午前10時、午後1時からの2回。800円。小学生以下と避難者は無料。予約不要。震災後に高知へ避難・移住した家族とサポーターの会「虹色くじら」と「シンフォニア0311」の主催で、各上映後に主催者メッセージがある。(松田さやか)

カテゴリー: 社会高知中央


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