2019.03.05 08:00

【10連休対応】生活の支障回避へ万全を

 観光や消費の面では活況が見込まれる半面、仕事を休めない人も相当数に上るだろう。保育や医療の面で心配されている暮らしへの悪影響は避けなければならない。
 皇位継承に伴い、今年のゴールデンウイークは4月27日の土曜日を含めると5月6日まで異例の10連休となる。
 新天皇が即位される5月1日を、今年に限って祝日法が定める「国民の祝日」として扱い、祝日に挟まれた日は休日にする同法の規定を適用するためだ。
 これを受けて、政府が国民生活への影響を避けるための対処方針をまとめた。しかし、自治体や事業者への丸投げも目立ち、これで十分なのか不安は拭えない。
 保育に関しては、業種によっては保護者の休日出勤が通常より増え、一時預かりのニーズが多くなると見込まれている。
 対処方針では、期間中に子どもを受け入れた場合、利用人数に応じて保育施設への運営費を加算する仕組みを検討している。国と都道府県、市区町村が負担し、施設側に受け入れを要請。利用できる施設の情報提供を自治体に呼び掛ける。
 ただ、現場の実態はより厳しい。例えば、高知市の公立園は4月27日を除いて休園になる見込みだ。市内で休日保育を行う民間9園のうち5園が園外児も利用可能だが、ふだんから在園児のニーズが高く、外部の受け入れは見通せないという。
 国、自治体は連携して地域の需要と態勢を把握し、臨機応変に対応していく工夫が必要ではないか。
 医療面では日本医師会が昨年末、医療機関が長期休業すると、救急外来に患者が押し寄せるとの見方を示し、「救急医療態勢が大きな課題になる」と懸念を示している。
 対処方針は、都道府県に「必要な体制がとられていることを確認し、住民に周知する」としている。だが、その前に、必要な体制をどうとるのかが重要だろう。
 都道府県医師会を対象にした調査では、10連休の医療提供態勢について、行政との情報共有や連携は7割が「不十分」と答えている。患者に不都合が生じない連携が望まれる。
 また、10連休中の長時間労働抑制や、時給・日給で働く人の収入減少に関し、政府は対処方針で、関係団体や企業に対して「適切な配慮」を要請した。
 有期契約で働く時給制の社員は、勤務日が減れば翌月は数万円単位の減収になる可能性も指摘されている。実効性を伴う要請かどうか、政府も点検が必要だろう。
 このほか、祝日でも各自治体の判断で行われている一般家庭ごみ収集の対応や周知、学校の授業時間数の確保など課題は尽きない。
 10連休に関する特別法を審議した衆参両院の内閣委員会は、「国民生活に支障がないよう万全を期すべきだ」との付帯決議を採択している。祝賀ムードの陰で国民が困惑することのない対策を求めたい。
カテゴリー: 社説


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