2019.03.02 08:00

小社会 弥生三月―。街角の野菜店で菜の花を買って…

 弥生三月―。街角の野菜店で菜の花を買って、天ぷらにして食べてみた。ほんのりとした甘さの中に、早春のフキノトウやタラノメなどと同じ苦味が口の中に広がった。

 菜の花といえば、まず思い出すのは〈♪菜の花畠(ばたけ)に、入り日薄れ…〉と始まる唱歌の「朧(おぼろ)月夜」(高野辰之作詞)。そして与謝蕪村の一句、〈菜の花や月は東に日は西に〉ではないか。いずれも目の届く限り広がる菜の花畑を詠んでいる。

 俳人の草間時彦さんは、昔は蕪村の句にある、菜の花畑の大きな景色がどこにでもあったという。食用のほかに菜種油としての需要が大きかったからだ。今では黄色を敷き詰めたような、大きな景色は専ら鑑賞用だろう。

 現代の3月は唱歌や俳句のゆったりとしたリズムとは裏腹に、忙しい季節でもある。きのうは2020年春に卒業予定の大学3年生たちの、就職活動がスタートした。企業は6月1日に選考活動解禁の「経団連ルール」は今年が最後。

 短期決戦に学生たちの焦りもさぞや…。と思っていたら人手不足による売り手市場とやらで、それほどでもなさそうだ。学生の関心は昔と違い、残業時間や休日など「働く環境」に向けられているという。

 若者たちの目の前に大きな景色が広がって、余裕を持って選べるならいいことだろう。だがひとたび社会人となればバラ色の世界ばかりではない。そこには春の菜のような、甘さと苦さが潜んでいる。


3月2日のこよみ。
旧暦の1月26日に当たります。つちのえ いぬ 五黄 友引。
日の出は6時34分、日の入りは18時03分。
月の出は3時49分、月の入りは14時05分、月齢は25.2です。
潮は若潮で、満潮は高知港標準で4時40分、潮位131センチと、15時19分、潮位128センチです。
干潮は10時06分、潮位87センチと、22時19分、潮位24センチです。

3月3日のこよみ。
旧暦の1月27日に当たります。つちのと ゐ 六白 先負。
日の出は6時33分、日の入りは18時04分。
月の出は4時34分、月の入りは14時58分、月齢は26.2です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で5時11分、潮位141センチと、16時11分、潮位138センチです。
干潮は10時44分、潮位76センチと、22時57分、潮位15センチです。

カテゴリー: 小社会コラム


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