2019.02.27 08:45

高知大硬式野球部に女子選手 宮本鈴那さんが異例の挑戦 

「『当たり前』と思われる環境に感謝することを大切にしている」と話す宮本鈴那さん(高知市曙町2丁目の高知大グラウンド)
「『当たり前』と思われる環境に感謝することを大切にしている」と話す宮本鈴那さん(高知市曙町2丁目の高知大グラウンド)
木製バット苦戦、打球で顔けが…それでも「大好き」
 高知大学(高知市曙町2丁目)の硬式野球部にただ一人、女子選手が交じって練習に励んでいる。1年生の宮本鈴那さん(19)。全日本大学野球連盟加盟の381校で、ほとんど例がないケース。スピードやパワーになかなか付いていけず、顔にけがを負ったこともあるが、「憧れていた硬式。最後までやり抜く」と目を輝かせている。
 
 岡山市出身。兄の影響で小学校の6年間は軟式野球に打ち込み、中学、高校ではバレーボール部やソフトボール部に所属した。硬式球を使用するプロや甲子園に憧れていたものの、「女子はそこを目指せない」と半ば諦めていた。しかし昨春高知大に合格し、硬式野球への挑戦を迷っていた時、幼いころから指導してくれた父の「やってみたら?」の言葉に、「やれるだけやってみる」と決意した。
 
 昨年の四国六大学リーグ1部で春季2位、秋季4位の高知大は、全日本大学選手権にも3度出場経験がある。170~180センチ台が並ぶ部員約30人の中、151センチの宮本さんはひときわ小柄で、筋力もスピードもはるかに劣る。
 
 最も苦労しているのは、初めて握る木製バットへの対応だ。金属より芯の範囲が狭く重いため、高校野球を経験した男子でも慣れるのに時間がかかる。入部して最初の打撃練習ではまともにスイングできず、バットに当たっても手に激痛が走った。親指と人さし指の間には真っ青なあざが数カ月残った。
 
 守備ではアクシデントに見舞われた。打球の速さや跳ね方は、軟式と大きく異なる。昨年6月、内野ノックでイレギュラーした打球が顔面を直撃。「唇がカッパみたいになり、前歯も2本抜けちゃいました」
 
 努力がなかなか結果に結び付かず、「なんでできんのかな…」とこぼすことも。それでも、「成長したい」と野球ノートをつくり、先輩の助言などを記してきた。「腰とか足首が痛くて結構ぼろぼろ…。うまくいかないこともあるけど、それを含めて野球が大好きです」
 
 硬式野球を始めて間もなく1年。前へ飛ばなかった打球が外野へ飛ぶようになり、捕球時のステップも上達した。チームメートには「練習で手を抜くことがない」「率先して準備をやれる」と頑張りを認められている。
 
 「一打席の犠打でもいい。チームに貢献できるプレーをする」のが今の目標。そして、「野球部みんなが女子の私を受け入れてくれ、一緒にプレーしてくれていることに感謝してます」。硬式球を打ち、投げ、追う喜びを、かみ締めている。(谷川剛章)

カテゴリー: スポーツ高知中央


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