2019.02.20 08:42

林鉄の物語に深みを 高知大生らが中芸住民の記憶発掘

日本遺産となった中芸地域の人々の記憶を「サブストーリー」として紹介する高知大生(北川村の小島集会所)
日本遺産となった中芸地域の人々の記憶を「サブストーリー」として紹介する高知大生(北川村の小島集会所)
 旧魚梁瀬森林鉄道(林鉄)とユズを巡る物語が日本遺産に認定された中芸地域で、高知大学の学生と教員が住民から聞き取った「サブストーリー」を紹介する報告会がこのほど行われた。女性や恋愛に着目したユニークな事例が発表された。
 
 高知大は、日本遺産認定前の2015年度から林鉄と中芸地域の暮らしを調査。18年度は、日本遺産の物語に深みを持たせ、地域の魅力をより豊かに伝える「サブストーリー」の発掘をテーマとした。
 
 安芸郡北川村の小島集会所で16日開かれた報告会には、住民ら約30人が参加。高知大次世代地域創造センターの赤池慎吾准教授が、けが人搬送や嫁入り、遠足と、住民の身近な足としても林鉄は使われた▽修繕業務に多くの女性が雇用されていた―ことなどを紹介した。
 
 インタビューに携わった女子学生は、北川村の70~90代女性らの記憶を「みんなの恋バナ」として集め、一部を披露。奥手の夫に代わり、義母が家に結婚前の“偵察”に突然来た話では、口実として「フキを採りに来た」と告げられる。雨が降っていたため女性はフキがある谷は危ないと伝え、求めに応じて食事も出した。「その人らが私を見に来ちゅうやゆうことも分からんき…」と、何も気付かなかった当時を振り返った様子に参加者が聞き入った。
 
 人文社会科学部2年の金田野乃花さん(19)らは「おばあさんたちと話すうち、同年代とのガールズトークみたいになり中芸の人を身近に感じた。人生を聞くことで、地域の歴史と今を知れると思う」と話していた。(北原省吾)

カテゴリー: 社会安芸


ページトップへ