2019.02.18 08:00

【沖縄県民投票】直接示される民意は重い

 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る県民投票が告示された。
 24日に投開票されるが、結果に法的拘束力がないため意義を疑問視する声もある。しかし、移設の是非に絞って県民が直接民意を示す初めての機会は重みを持つ。
 辺野古移設が本当に唯一の解決策なのか。移設すれば普天間の早期返還はかなうのか。辺野古の埋め立て工事が進んでいる中、本土の私たちも含めていま一度、立ち止まって考えるべき課題は多い。
 沖縄県民の意思はこれまで軽んじられ続けてきた。
 安倍政権は辺野古問題について、国による埋め立ては仲井真弘多元知事の時代に承認済みと強調する。しかし仲井真元知事の承認は「県外移設」という自らの公約に反するもので、県民にとっては「裏切られた」との思いが強かったろう。
 菅官房長官は「問題の原点は普天間の危険除去と返還だ」とも言う。 確かに1996年の日米返還合意の条件は、普天間の一部機能の嘉手納飛行場への移転、統合▽普天間のヘリコプター部隊のヘリポートを県内米軍基地内に新設する―というものだった。
 それが曲折を経て今では、滑走路2本と港湾機能も併せ持つ巨大な新基地に肥大化している。これでは県民の目に「基地の整理・縮小」とは映るまい。
 政府が土砂投入を強行している辺野古沿岸部の埋め立てでも今また、新たな問題が浮上している。
 政府は埋め立て予定海域に軟弱地盤があることを認め、今春にも改良工事に向けた設計変更に着手する。改良工事が加われば総事業費の増大や工期の長期化は避けられない。普天間の早期返還という政府目標にも大きく影響しよう。
 工期や工費はどう変わるのか。本来なら政府は県民投票の機を捉えて、県民に丁寧に説明するのが筋であろう。ところが「結果にかかわらず移設工事を続ける」とするだけで、静観の構えを崩していない。
 自民党県連と公明党県本部も自主投票で臨む。移設容認の自民党県連は移設を巡る議論が活発化しないようにするため、とされるが事実なら残念なことだ。
 県民投票は当初、「賛成」「反対」の2択で実施予定だった。それだけでは民意を反映できないとして、「どちらでもない」を加えた3択で与野党合意にたどり着いた経緯もある。そうである以上、自民、公明両党も積極的に主張し、県民投票への関心を高めてもらいたい。
 防衛や安全保障の分野は国の専権事項である、という。そうであっても地元の民意を無視し政府方針だけで基地を造っても、その安定的な運用は難しい。地方自治との折り合いをどうつけるかが問われよう。
 同時に、本土の無関心が沖縄の負担増に加担してきたことも改めて自覚しながら、県民投票の推移を注視したい。
カテゴリー: 社説


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