2019.02.13 08:45

ガなど標本2万点寄贈 昆虫研究の故河上友三さん(高知市) 高知みらい科学館で展示へ

採集場所や日時、羽化の日付などが細かく記された標本
採集場所や日時、羽化の日付などが細かく記された標本

 昆虫研究家でガの調査に生涯打ち込んだ故・河上友三さん=高知市針木東町=が保管していたガやチョウなどの標本が11日、高知みらい科学館(高知市追手筋2丁目)に寄贈された。河上さんが昨夏に81歳で死去し、親族が寄贈を希望した。総数は未確認ながら2万点ほどあり、高知昆虫研究会は「非常に丁寧に作られ、数も多い。ガの標本としては県内トップのコレクションだ」としている。

河上友三さんの自宅から運び出される<br>ガの標本(高知市針木東町)
河上友三さんの自宅から運び出される
ガの標本(高知市針木東町)
 河上さんは島根県生まれの須崎市育ち。小学生時代からチョウの採集に熱中した。須崎高校卒業後、四国銀行に勤務。「昼間はとても忙しくて、チョウから“夜の虫”のガに転向した」と1973年の高知新聞記事にある。新種として2001年に報告したアシズリエダシャクの学名には「Kawakami」の表記が含まれている。

故・河上友三<br>さん
故・河上友三
さん
 長男の圭一さん(55)によると、河上さんは休日ごとに採集に出掛けた。毎晩、夕食後にも自室で標本を作る「虫中心の生活」を送り、自室には標本や関連の書籍のほか、電子顕微鏡で撮影した昆虫の画像などが蓄積されていった。

 弟の誓作さん(78)=大阪大学名誉教授=は「兄と一緒に山や水辺で虫を追い掛けた。あのころの須崎は昆虫の宝庫でした」と研究の原点を振り返る。河上さんが亡くなる1週間前に会い、「元気になって虫を捕りに行こう」と呼び掛けると、河上さんは自分を奮い立たせるような表情をしたという。「最後まで研究意欲を燃やしていた。家計が苦しく大学進学をあきらめた兄は、大学の研究者に負けないという強い気持ちを持っていたのだと思います」

 誓作さんは須崎市の四国自然史科学研究センターに標本の活用策を相談。ハチなど約100箱は専門家のいる愛媛大学に寄贈し、残りの標本約350箱や専用の棚などを科学館に贈ることになった。

 11日は同センター関係者や高知昆虫研究会のメンバーらが標本を移送。小津、追手前、土佐塾、土佐女子の各高校生有志も手伝い、分類に沿って収蔵庫に標本を収めた。

 科学館によると、昆虫標本の寄贈としては最大規模。研究に利用しやすいよう整理を進め、春休み期間に開く昆虫標本展では一部を展示するという。(八田大輔)

カテゴリー: 主要社会高知中央


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