2019.02.10 08:31

高知県の「雛人形」事情 ますます小型化傾向 収納型が人気

さまざまなタイプのひな人形が並ぶ店内。表情や着物の色合いなど見ているだけでも楽しい(高知市の宮古人形)
さまざまなタイプのひな人形が並ぶ店内。表情や着物の色合いなど見ているだけでも楽しい(高知市の宮古人形)
ひな飾り 地震対策でケースはアクリル
 3月3日はひな祭り。かわいいひな人形は女の子の永遠の憧れ。祖父母や親にとっては愛情を込めた大切な贈り物であり、高価な買い物でもある。ライフスタイルの変化とともに人気のタイプは年々変わっている。高知県内では今、どんなひな人形が選ばれている?
 
人気の収納式。ひな人形を飾る台にそのまま人形や道具を片付けられる(同市のおもちゃのキャッツアイ=飯野浩和撮影)
人気の収納式。ひな人形を飾る台にそのまま人形や道具を片付けられる(同市のおもちゃのキャッツアイ=飯野浩和撮影)
 2月初めのある日、高知市石立町の近森人形を訪ねると、入り口近くの目立つ場所に「収納タイプ」と書かれた商品が並んでいた。
 
<b>リカちゃんも</b> ピンクを基調にした、かわいい雰囲気のリカちゃんの親王飾り(同市の近森人形=同店での今季の取り扱いは終了)
リカちゃんも ピンクを基調にした、かわいい雰囲気のリカちゃんの親王飾り(同市の近森人形=同店での今季の取り扱いは終了)
 ひな人形や道具を飾る台そのものが収納箱になるタイプ。一つの箱にコンパクトに保管でき、スムーズに出し入れできることから近年人気を集めているという。
 
 床の間のある家が減り、アパートやマンションではひな人形を飾る場所も収納スペースも取りにくい。また、共働きや子育て世帯は毎日忙しく、出し入れをできるだけ簡単にしたい。人気の背景には、そんな住宅事情や生活スタイルの変化がある。
 
 「ガラスケースと違い、引っ越しや出し入れの際に割れる心配がない。箱を含めた全体の華やかさなどを見て決める人が多いですね」と近森人形の社長。
 
 収納式に限らず、省スペースの商品が今どきの売れ筋。「男びなと女びな」「男びな、女びな、三人官女」といった少数型のニーズが高く、かつて主流だった七段飾りは影を潜めている。高知市高須3丁目のおもちゃのキャッツアイでは、男びなと女びなだけの親王飾りが売り上げの7割ほどを占めるという。
 
 高知市桜馬場の宮古人形では、タイプ別に飾り付けの所要時間の目安を書いた表を用意している。購入時の参考にする人も多いそうだ。
 
 出し入れの労力がより少ないケース入りでは、従来のガラス製より、地震対策にもなって軽くて割れにくいアクリル製が主流。ぼんぼりにはLED、生花の美しさを長く保つプリザーブドフラワーを飾りにあしらったものもある。
 
 今風といえば、リカちゃんやピーターラビットといったひな人形も。リカちゃんのお相手は茶髪さらさらヘアの爽やかイケメン。お目々ぱっちりでひな人形らしくない顔立ちだ。

 店側によると「(昔ながらの)日本人形の顔が苦手というお客さんもいる」といい、口角の上がったにっこりした顔や丸みを帯びた輪郭など、人形の顔のバリエーションも広がっている。
 
 価格は、ひな人形のタイプによって大きく異なるが、高知市内の店では15万~20万円の品がよく出るという。
 
 もうすぐ1歳になる長女と高知市の専門店を訪れた吾川郡いの町の女性(25)は、収納式のリカちゃんのひな人形を購入。「インターネットで見て、これと決めていた。サイズも小さめで部屋に置くのにいいかなと。満足です」と笑顔を見せていた。
 
 ある専門店では「お気に入りのひな人形を毎年飾ってもらうことが一番。ひな人形や道具に込められた思いや意味に思いをはせながら女の子の健やかな成長を祝ってもらいたい」と話していた。
 
いつ飾る?しまう?
 ひな人形は、人の姿をかたどったものに災厄を移して難を逃れる厄除けに由来している。お守りのような存在で1人に一つ用意するのが理想だという。

 飾り付けは立春すぎから2月中旬を目安に遅くても桃の節句の1週間前に飾るのがお勧め。
 
 早く片付けないと嫁に行き遅れる―という言い伝えがあるが、もちろん根拠はない。メーカーや専門店は「てきぱきと片付けられる女性になってほしいという思いから生まれた言葉では」と解説する。湿気の少ない晴れた日にしまいたい。(竹村朋子、徳澄裕子)

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カテゴリー: 文化・芸能子育て社会

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