2019.01.04 08:50

成人式でダウン症男性祝福 土佐町に移住の伊藤さん 両親「人のつながり温かい、今が幸せ」

伊藤秀樹さん=中央=と写真に納まる祐子さんと久重さん(3日午後、土佐町土居の町保健福祉センター)
伊藤秀樹さん=中央=と写真に納まる祐子さんと久重さん(3日午後、土佐町土居の町保健福祉センター)
 高知県土佐郡土佐町で1月3日開かれた成人式で、ダウン症の男性が仲間や両親らの祝福を受けた。伊藤秀樹さん(20)=同町田井。大阪府生まれの秀樹さんは生後、ダウン症や心疾患と診断された。両親は育てやすい環境を求め、8年前に土佐町に移住。息子の晴れ姿に「3年の命と言われたが20歳を迎えられてめっけもんです。家族で支え合い、今が幸せ」と目頭を押さえた。

 秀樹さんは、大阪府吹田市で理美容店を営んでいた久重さん(71)と祐子さん(62)の第3子として誕生。ダウン症や心内膜欠損症と分かり、主治医から「3~5年しか生きられない」と言われた。祐子さんは「落ち込んだけど、この子のお地蔵さんのような笑顔に救われて前を向くことができた」と振り返る。

 生後10カ月で心臓の手術に成功。久重さんは「都会は便利やけど、この子が生きていくには大変やろう」と、10年ほど前に家族でゆったりと暮らせる移住先を探した。

 当時、吹田市青山台に土佐町の第三セクターが産直サテライトセンター「とさ千里」を出店。地元の商店街会長として町職員と交流があった久重さんは、自然豊かな土佐町が気に入り、2011年に3人で移住した。

 秀樹さんは同年春に土佐町中学校に入学。山田養護学校(香美市)を経て、17年から長岡郡本山町の障害者就労支援事業所「りんどう」に通う。趣味は多彩で、よさこい鳴子踊りやヨット乗りなどを楽しんでいる。

 土佐町保健福祉センター(同町土居)で開かれた成人式に仲間28人と臨んだ秀樹さんは少し緊張気味。今後の抱負を取材すると「よさこい、ヨット、仕事を頑張る」としっかり答えた。久重さんと祐子さんは本山町内の福祉施設で働いており、久重さんは「高知は人のつながりが温かい。来て良かった」と3人でにこやかに笑った。(森本敦士)

カテゴリー: 社会医療・健康ニュース嶺北


ページトップへ