2018.12.12 08:00

小社会 師走上旬、和歌山県北部に真言宗の開祖・空海…

 師走上旬、和歌山県北部に真言宗の開祖・空海(弘法大師)が開いた高野山を訪れた。気温0度前後に冷え込んだ日。山内の大伽藍(がらん)も、杉の巨木に囲まれた奥の院の参道も、厳しい冬の到来に備えているように見えた。

 むろんこれといった宗教心のない身に、空海が確立した壮大な密教思想の一端も分かるはずもない。ただ一泊した宿坊で僧侶たちが行う早朝のお勤めには、えもいわれぬ荘厳さを感じた。

 私たちにとって空海は、四国霊場八十八カ所を通じて身近な存在だ。お遍路さんへの接待の文化などが、今も脈々と息づいている。高野山に続いて世界遺産登録を目指す動きもある。

 作家の高村薫さんが以前高知新聞に連載した「21世紀の空海」によると四国遍路は、巡礼者が「死や病や社会からの疎外を抱えて歩き、祈る道」だという。仕事に疲れた働き盛りの男性、伴侶を失った高齢者たち、孤独な自分探しの旅を続ける若者たちが、「非日常」に浸る道だと。半ば観光化した中にも、巡礼の旅の本質は残っているようだ。

 高野山の幹部の方に話を伺うと、近年は欧州から本山を訪れる人が急増しているという。欧米人が見失ったものを、東洋の神秘的な精神に求めている。英国のEU(欧州連合)離脱、フランスで続く暴動などが思い浮かんだ。

 AI(人工知能)が語られるほど進んだ現代に、人間の根本を追求した空海の生き方が人々を引きつけてやまない。


12月12日のこよみ。
旧暦の11月6日に当たります。つちのえ とら 六白 仏滅。
日の出は7時00分、日の入りは16時58分。
月の出は10時38分、月の入りは21時17分、月齢は4.8です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時24分、潮位19センチと、14時46分、潮位88センチです。
満潮は9時16分、潮位155センチと、20時10分、潮位150センチです。

12月13日のこよみ。
旧暦の11月7日に当たります。つちのと う 七赤 大安。
日の出は7時01分、日の入りは16時59分。
月の出は11時15分、月の入りは22時11分、月齢は5.8です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で3時00分、潮位29センチと、15時33分、潮位90センチです。
満潮は9時56分、潮位149センチと、20時51分、潮位139センチです。

カテゴリー: 小社会コラム


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