2018.12.10 08:45

待望の公衆電話 携帯持たない高齢者半数 土佐清水市歯朶ノ浦

住民要望で地区に初めて設置された公衆電話(土佐清水市の歯朶ノ浦集落)
住民要望で地区に初めて設置された公衆電話(土佐清水市の歯朶ノ浦集落)
災害時も安心
 公衆電話を付けてくれんろうか―。高知県土佐清水市貝ノ川にある歯朶(しだ)ノ浦集落のそんな要望を受け、NTT西日本高知支店はこのほど、集落で初めての公衆電話を1台設置した。同支店の公衆電話担当課でも「要望による新規開設は20年以上聞いたことがない」。浜渦大広(ともひろ)区長(69)は「災害時の連絡手段としても大事。要望を聞き入れてくれてありがたい」と話している。

 公衆電話には電気通信事業法施行規則で設置義務がある「1種」と収益事業の「2種」がある。同支店によると、県内の公衆電話は1997年に5340台あったが、携帯電話の普及で2018年3月末時点で1696台。約20年で7割減少している。

 1種の設置条件は市街地でおおむね500メートル四方、それ以外の地域は1キロ四方に1台。今回要望があった同集落は1種が適用される場所だったこともあり、設置につながったという。

 市西部にある同集落は、600メートルを超える二つのトンネルの間にあり、近隣集落と“隔絶”。谷あいで7世帯11人が暮らしており、01年の高知西南豪雨では集落の大半が浸水した経験がある。

 現在も携帯電話を持たない高齢者が半分ほどおり、「避難で外に出たときにも最低限の連絡が取れるように」と浜渦区長と近隣区長がNTT西日本に公衆電話の設置を要望した。設置場所は国道321号から集落への入り口で、西南豪雨で浸水を免れた位置。10月下旬に開設工事が行われた。

 同社高知支店の三浦歩課長は「携帯電話の普及で台数の維持が難しい状況がある。久しぶりの要望で驚いたが、設置できてよかった」。浜渦区長は「案内板や雨よけを付ける予定。地区で大事にしていきたい」と話していた。(新田祐也)

カテゴリー: 社会幡多


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