あまねき旋律しらべ

仲間と歌いながら行う農作業。山間部の村の四方八方に歌声が広がる
山奥で響き合う歌 農業と共に継いだ インドの村人の絆奥深い山々から流れ出すような、ハーモニーの心地よさにまぶたを閉じた。リズミカルな歌声は時折、楽器で奏でられる音楽のようにも聞こえる。
歌っているのはインド東北部、ミャンマーとの国境付近にあるナガランド州の山間部の村に暮らす人々。険しい山の斜面に連なる棚田や畑は彼らのステージとなり、作業の間、いくつもの歌声が重なり合う。
彼らの労働歌が音楽ドキュメンタリー映画になるきっかけは、本作の共同監督を務めた、インド南部出身の男女が現地を訪れたことだった。
2人は演劇人でもあり、旅の途中、インド全土のパフォーマンスや舞台表現を調べてみることで自分たちの演劇を見直してみようということになったという。各地を巡る中、この村で伝承されてきた“歌うこと”に魅了された。
村人たちは日本の“結(ゆい)”と同じような共同組織“ムレ(組)”をつくり、手作業で田起こしや田植え、収穫、脱穀などの作業を行う。歌は、お互いのコミュニケーションを取る掛け声のようでもあり、共同で作業する楽しさや力の源にもなっているのだろう。
映像は、人々の営みとともに緑濃い山々や急斜面に連なる棚田の四季を色鮮やかに映し出す。村人のインタビューも盛り込まれ、歌はここで住む人たちの人生、生活そのものなのだということを感じさせる。作中、その穏やかな生活が中断した歴史にもスポットライトが当たる。
村人が自由に歌い合える社会が続きますように―。重なり合う歌声は、映画を見る人の心にも響く。
高知市帯屋町2丁目のメフィストフェレス2階で12月15、16の両日とも正午、午後2時20分、4時40分、7時の計4回。1200円(当日1400円)、中高生800円、小学生以下無料。高新プレイガイドなどで販売中。問い合わせ、予約は主催のゴトゴトシネマ(090・9803・9984)へ。(竹村朋子)
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