2018.10.22 08:40

90cm仏頭の謎解き 高知県田野町の文化財を住民ら楽しく議論

穏やかに見える表情が印象的な仏頭(高知県安芸郡田野町)
穏やかに見える表情が印象的な仏頭(高知県安芸郡田野町)
仏頭を見学後、由来について議論するツアー参加者(高知県安芸郡田野町)
仏頭を見学後、由来について議論するツアー参加者(高知県安芸郡田野町)
 大きな仏頭どこから―。高知県安芸郡田野町で10月21日、江戸時代に海から流れ着いたと伝えられる仏像の謎に迫るツアーが開かれた。町民にもあまり知られていない町指定文化財の由来を巡り、参加した11人が仏師を交え楽しく議論した。

 仏頭は前額部からあご先まで約90センチあり、田野八幡宮の北隣にある大師堂に安置されている。元々は一木造りの地蔵仏で、全身を含めると5メートルほどだったとされる。「南路志」(1813年)には、胴体は町内の別の場所に埋められたとの記述があるという。現在の仏頭は、耳の前から割れたような状態で仏具に納められている。

 一行は東洋町在住の仏師、吉田安成(やすまさ)さん(43)=岐阜県出身=と仏頭や、この日住民らが開いた「お大師講」を見学。吉田さんは仏頭について、素材は針葉樹▽顔は傷んでいるが元は半眼▽材木の状態から、平安―鎌倉時代に地方で造られた可能性がある―などの見立てを示した。

 意見交換では、どこで造られたかが焦点に。黒潮に乗って九州から流れてきたとの説が主催者から紹介されると、「奈半利川からかもしれない。県内で造られた可能性を探り、材を科学的に調べてみては」などと活発な議論がなされた。「胴体の在りかを探してみるのも面白い」との意見もあった。

 高知市から参加した女性(60)は「初めて見たが、仏頭は想像よりいい表情をしていた」と話していた。

 ツアーは、中芸のイベント「ゆずFeS(フェス)」の一環。町並み保存に携わる「田野まちづくり塾・衆」が企画した。(北原省吾)

カテゴリー: 主要文化・芸能安芸

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