2018.09.30 08:35

助けて!わんにゃん お便り特集(上)行政への期待強く

子猫の預かりボランティア。生後すぐの場合は数時間おきの授乳が必要だが、それも2~3週間。最初は飲む力がなく、注射筒で注入することもあるが、すぐに上達、自分でほ乳瓶をつかみ、グイグイと
子猫の預かりボランティア。生後すぐの場合は数時間おきの授乳が必要だが、それも2~3週間。最初は飲む力がなく、注射筒で注入することもあるが、すぐに上達、自分でほ乳瓶をつかみ、グイグイと
 連載「助けて!わんにゃん 高知の動物愛護を追う」の第2部最終回に載せた「お便り募集」に対し、ご意見、ご感想をいただきました。保護活動家への「なぜ、そこまで頑張れるのか」といった驚きや、保護猫のふん尿、保護犬の鳴き声に対する苦情、行政の対応への物足りなさ、活動家の思いを3回にわたって紹介します。次回は10月2日に掲載します。(編集委員・掛水雅彦)

 第1部は6月、第2部は8~9月に掲載しました。

アニマルポリスを【いの町、野波由紀子(40)】
 連載を読んで、このままでは高知県の犬猫問題は解決しないと思いました。個人ボランティアさんに負担が掛かりすぎています。

 猫のために奔走する「高知にゃんわんの家」の松岡理香さんのフェイスブックを読むと、「捨て猫を拾ってくれる所ですか?」と失礼な電話が来たそうです。また、「うっとうしい連載。異常な人ばかり出てきて偏っている」と新聞社へ電話が入るのは悲しいことです。あまり考えたこともない問題だからだと思いますが、高知市内でも郡部でも、深刻な事態がたくさん起きています。やはり、行政の力が必要です。

 しかし、市町村の役場に相談しても、他の部署を紹介されたり、「自分で責任持って何とかしてください」で終わりのようです。まず、公的な総合相談窓口をつくり、専門知識を持って対応できる態勢をつくっていただきたいものです。

 保護活動家の金銭的負担は大変なので、せめて医療費の何%かをサポートしてあげられないでしょうか。そして、英、米、オランダなどにある「アニマルポリス」の設置が必要だと思います。日本の動物愛護対策は大変遅れています。これ以上、野良犬猫が増えないように強力な抑止力が必要です。

 狩猟犬が毎年のように飼い主からはぐれ、あるいは「役に立たなくなった」と捨てられているそうです。問題解決のため、狩猟犬の数、飼育状況などを調査し、厳密に管理してほしいと思います。

 私には小学生の子どもがいます。今後、私としても何かの形で役立ちたいとも思います。例えば、小学校で犬猫の命の大切さを伝える授業のようなことができないかと考えたりもします。多くの方々に関心を持ってもらえるよう、今後の連載にも期待します。

高知新港に子猫多数 【南国市、三谷憲一(58)】
 連載開始からずっと読んでいます。先日も早朝、高知新港で4匹の野良猫に餌をやるおじさんに遭遇。話を聞くと釣りに来たついでに少量の餌をあげているとのこと。子猫もいました。たぶん、最初は誰かが捨てた猫が繁殖したのでしょう。「ここから西の方には20匹ばあ、おるぜ」ということでした。

 私の職場の近くにも野良猫が何匹かおり、餌をやっていましたが、そのうちの1匹は先日、今年2度目の出産をしました。しかし、最寄りの福祉保健所への助成金申請が通っても、肝心な時に現れず、捕まえることができません。今回は全額自費になっても不妊手術へ連れていくつもりです。

 子猫、子犬を飼えないのであれば、不妊去勢は飼い主の義務です。ましてや人間の都合で捨てるとはそれこそ鬼畜以下です。ただ申請時の保健所職員のいかにも、野良犬、野良猫は害獣というような言い方にはむちゃくちゃ腹が立ちました。犬猫を取り巻く環境は多少は改善されてますが、海外の国からいえばまだまだですね。

役に立たない保健所 【高知県内、S子(50代)】
 数年前の出来事です。私が経営に関わっているアパートに入居した人が猫好きで、近くの猫にこっそり餌をあげ始めたのです。猫がどんどん集まり、そのまま居着きました。

 アパートの住人が注意しましたが、「あげてない」とシラを切るそうです。その住人はこわもての風貌で、怖くて声を掛けられない人もいました。

 瞬く間に猫は増え、苦情が殺到です。周辺への排せつ物はもちろん、抜け毛もすごい。入居者のほとんどの車のボンネットは傷だらけに。特に頭を悩ませたのは、入居者の中に経済的に苦しい方がいたことです。小さな子どもを抱えたシングルマザーで、「子どもの靴を洗って干していたら、必ず猫のおしっこが掛けられ、何度洗っても臭いがとれません。靴を買ってあげる余裕もないし、車の傷は誰に言えばいいのですか」と言われ、私は「猫を捕まえます」と言うしかありませんでした。

 しかし、捕まえた猫をどうすればいいのか。保健所へ相談に行くと、女性職員は「猫に餌を与えないで」というポスターを取り出し、現場に張るようにと言いました。そんな物張っても意味はないので断りました。その時の会話です。

 私=「猫を捕獲して保健所にお願いするしか思い浮かびません。他に良い方法がありますか」

 職員=「猫の殺処分がどんなものか知っていますか! 安楽死ではありませんよ! 苦しんで死んでいくんですよ!」

 私=「以前に新聞で読んで知ってます。でも捕まえた猫をよそに捨てると、そこの住人が困るでしょ。そんなことはできません」

 職員=「餌をあげるから増えるんです。あげなければ産んでも1匹か2匹。そんなに増えないんですよ!」

 私=「私にそんなに怒られても困ります。どうしたら良いか、こっちだって分からないのに! 猫のせいで生活が困っている人がいるんです」

 こんなやりとりの後、私は猫の持ち込み方法を聞き、数日後に捕獲を試みましたが、素人にできるわけもなく失敗に終わりました。その後、耐えられない住人2人がアパートを出ていき、申し訳なく思いました。

 今、新しい入居者には「猫好きだけれども、絶対に餌を与えない人」を条件に入居してもらっています。餌やりの人は現在、餌をあげることができない状態になったので、まだ猫の数は多いですが、今は落ち着いています。



なぜ、身銭を 【高知市、コッコ(50代女性)】
 交通事故に遭った動物を病院へ連れて行き、自腹で高額の治療費を払う。自分が飼っているペット以外の動物に、そこまで身銭を切って、すごいというか、なぜ?と思ってしまいます。

 正しい、正しくないは誰にも決められない。餌だけあげる人は悪い、と言うのも自分はどうかと思います。確かに無責任な行為なのかもしれないけど、飢えている猫を見て、飼うことはできないけど、せめて飢えからだけでも救ってやりたい。それは、貧しい国の子どもたちに、旅行者が食べ物や、少しのお金を与える。しかし、子どもたちを本気で救うには、一時しのぎの食べ物ではなく、教育環境や、労働でお金を稼ぐことを教えることだ―というのと似ているように感じます。

 支援して学校を造る、資金援助をする。生活に余裕があればできるだろうけど、大金を払える人はどれぐらいいるのでしょう。少額の募金活動など、小さな寄付にとどまる人が大半です。連載がこの小さな善意につながるきっかけにはなると思います。

 保護活動家も生身の人間。いつ急病で倒れたり、事故で世話ができなくなる可能性もあります。その時、あまりに増え過ぎた保護動物たちは、誰がその後の世話をするのでしょう。その不安を覚えたのは私だけでしょうか。このまま、保護活動家個人の問題だけで、済ませておいてよいのか、考えさせられます。

 ペットブームの中、行政もシェルターを設け、動物1匹につき、いくらかの保護費を徴収するとか、ペット業者に対しても事業所税のように保護費を加算するとかしてはどうでしょう。譲渡会なども、行政と個人とが別々に開くのでなく、一緒に行うと、もっと広がりが出ると思いますが。

行政は前向き対処を 【匿名(63歳、女性)】
 現在、成猫2匹と迷子の子猫に餌をやり、面倒を見ています。半年前にも迷ってきた猫のもらい手を探したりして、少しでも野良猫が減ることを希望する毎日です。

 連載を読んでつくづく、愛護活動家の努力に本当に感謝したい気持ちと、行政の在り方に疑問を持ちます。

 何か偏見を持って、活動している人に対してひどい言葉を掛けたり、また、毒餌をまく人たちの心はどうなっているのでしょう。そういう人がいることにショックを受けました。

 個人で活動している人を責めることは、おかしいことです。高知県庁や市役所の前向きな姿勢を期待します。

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カテゴリー: 助けて!わんにゃん社会


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