2018.09.09 08:40

高知出身・田島征彦さんが新作絵本「そうべえときじむなー」

沖縄の心知ってほしい
新作の絵本を中心とした原画展を開いている田島征彦さん(東京・神田神保町の檜画廊)
新作の絵本を中心とした原画展を開いている田島征彦さん(東京・神田神保町の檜画廊)
 高知市春野町育ちの絵本作家、田島征彦さん(78)=兵庫県淡路市=が新作「そうべえときじむなー」(童心社)を刊行した。代表作「じごくのそうべえ」から40年。シリーズ6作目の新作は、琉球王国時代の沖縄を舞台にし、「沖縄の心を知ってほしい」との思いを込めている。

 5月刊行の今作は、大阪で暮らすそうべえたちが琉球にたどり着き、沖縄に伝わる妖怪のキジムナーと出会う物語。キジムナーの住むガジュマルの木やハイビスカスの咲く美しい自然、生活する人々の様子が型絵染で生き生きと描かれている。

 田島さんは40年近く前に沖縄を取材で訪ね、以降たびたび通うようになった。1996年に出した「てっぽうをもったキジムナー」では、沖縄戦の惨状や基地問題を生々しく描写した。「沖縄はずっと不公平な環境に置かれ、差別されてきた。同じ日本人なのに、沖縄の人のつらい思いをもっと考えられないか」と思い続けているという。

 今作の絵は明るい。描かれる琉球の人々は赤瓦の家で宴会をし、神様を身近な存在として信仰している。豊かな自然に生きるキジムナーは人間に優しく、救いの手を伸ばす。「読んだ後に沖縄の心が残る絵本にしたかったんです」

 自閉症の少年と同級生の友情を描いた2014年刊行の「ふしぎなともだち」は日本絵本賞大賞を受賞。5年前からは、米軍のヘリパッドが周りに建設されている沖縄県東村高江地区でも子どもたちを取材し、次作の構想を練っている。

 「今、人を思いやる気持ちや想像力が減っている。人を排除する言葉も飛び交っている。小さな絵本で、できることがあると思っているんです」(福田一昂)


15日まで原画展 東京・神田神保町
 田島さんは今月15日まで、東京・神田神保町の檜画廊で原画展を開催。「そうべえときじむなー」を中心に約40点を展示している。

カテゴリー: 文化・芸能高知中央


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