2018.08.26 08:40

ジビエ肉を産業に 高知県梼原町で解体施設の稼働順調

加工品販売やレシピ集も
ジビエカーと処理施設を核に肉を売り出そうと張り切る住民(高知県高岡郡梼原町の「ゆすはらジビエの里」)
ジビエカーと処理施設を核に肉を売り出そうと張り切る住民(高知県高岡郡梼原町の「ゆすはらジビエの里」)
 農地を荒らすイノシシやシカの肉を売り出し、地域の産業に育てる取り組みを高知県高岡郡梼原町が進めている。昨夏、全国で初めて導入した「ジビエカー」に続き、解体から肉のパック詰めまでを行う施設「ゆすはらジビエの里」が今春稼働。精肉のほか、加工品の販路も少しずつ広がっている。
 
 梼原町猟友会がわなで捕獲したイノシシとシカは、2008年の153頭から右肩上がりで増加。15年は1572頭で、その後も千頭超が続いている。
 
 捕獲増に伴い、農作物などへの被害は減少した。一方、猟師の間で「味はいい」とされながら、解体の手間や衛生面が課題で、これまで獲物のほとんどが廃棄されてきた。
 
 そんな中、近年のジビエ人気を背景に、同町は2175万円でジビエカー1台を購入し、同町広野の集落活動センター「ゆすはら西」に配備。猟師から獲物を集める試験運用を約1年前に始めた。
 
 さらに町は事業費3542万円で今年4月、集落活動センター近くに「―ジビエの里」を整備した。解体処理の年間目標は410頭で、8月中旬までの4カ月余りで155頭と順調なペースという。運営するNPO法人の職員、平脇慶一さん(32)は「安定的に肉を使ってくれる店がないと」と、町内外の飲食店への売り込みに懸命だ。
 
 加工にも力を入れ、愛媛県西予市の加工場で薫製にした一口サイズのハム(100グラム500円)を町内のスーパーなどで販売。同町松原のパン工房「シェ・ムワ」が、ジビエの合いびき肉のメンチカツバーガー(450円)を売り出すなど利用が増えてきた。
 
 6月には、臭みが出ない調理法を肉購入者に紹介するレシピ冊子も完成。同集落活動センターを運営し、NPO法人の代表を務める西村建雄・西区区長(64)は「町内外と交流しながらジビエや野菜を買ってもらう場になれば」と期待を込めた。(早川健)

カテゴリー: 主要社会政治・経済環境・科学高幡


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