2018.08.20 15:20

助けて!わんにゃん 高知の動物愛護を追う(14)どうなる?十数匹の猫

第2部 猫編・次から次へSOS(1)独居のおばあさん入院
 2017年11月下旬。殺処分宣告を受けた1匹の犬の行方を追い始めた。直後に猫騒動が発生。身内が関わる話だけに迷ったが、これも何かの縁だろう。犬猫同時並行の取材となった。第1部の犬の救出の世界もハードだったが、猫もまた、底なしのレスキューが待っていた。

 2017年12月8日。わが家(高知市内)は突然、猫問題に巻き込まれた。100メートルほど離れた所に住む80代半ばの独居女性、Aさんが足を骨折、入院し、家には猫十数匹が残されていた。

 猫友達のBさん(70代後半の女性)が事態に気付いてAさんの身内に「猫の世話を」と連絡。すると「すぐに処分する」と言ったらしい。慌てたBさんはあちこちに電話をかけ、高知市春野町(当時)の保護活動団体「高知にゃんわんの家」代表、松岡理香さん(52)にたどり着いた。高知の保護猫活動の駆け込み寺的存在だ。

 松岡さんは町内会長や福祉関係者と面談。入院は1カ月近いと知り、「猫の引き取りは無理だけど、取りあえずの世話は何とかします」と提案。そして、知り合いだった私の妻に「すぐ近くだから、朝晩の餌やりと、トイレの砂交換だけ手伝ってもらえんろうか」となったのだ。

 「それぐらいなら」と引き受けたが翌日、アクシデントが起きた。Aさん宅内を片付けていた松岡さんの顔を、倒れてきた机が直撃。まぶたが腫れ上がり、結局、妻とBさんが全部世話することになったのだ。

 猫は服や荷物の陰、そして2階にも隠れ、正確な数がつかめない。生後4カ月程度の子猫が4匹、小ぶりの9カ月程度が数匹、あとは成猫数匹の計12匹か13匹。不妊去勢手術は1匹しか施しておらず、1匹のおなかが大きかった。

 「堕(お)ろさんと、大ごとになる!」と焦ったが逃げ回り、サッシを自分で開けて外に脱出した猫も何匹か。松岡さんに捕獲器を借り、餌でおびき寄せ、戸惑いながら徐々に捕獲。動物病院に運んでは手術した。費用は手術代だけでオス1万円、雌2万円前後。行政の一部助成金もあるが、この時期は既に予算を使い切っており、飼い主の全額負担となる。各種医療検査でさらにかかる。最初、Bさんが3万円を気前良く寄付したのが弾みで、その後はAさんが出すことになった。

 松岡さんのアドバイスで、猫のもらい主探しも始まった。写真を撮り、知人に頼んでポスターを作成。「家族になってくれませんか」と呼び掛けた。部屋の掃除も含めて、全てボランティア。「そこまでせんといかんの?」と私はあきれたが、乗りかかった船だった。

 近隣の店舗にポスターを張らせてもらうと、すぐにドラッグストアの店員から「田舎の祖母の知り合いが、子猫2匹をもらってくれそうだ」という連絡。長年飼っていた猫が死に、探していたらしい。12月25日に車でトライアル(お試し)に届けた。

 翌日には大豊町から新たなもらい主がやって来た。森下弘二(38)、由里子さん(46)夫妻。後ろ足のない雌猫「元気ちゃん」(9カ月)を引き取りたいという。

 実は由里子さんも左足に障害が。松岡さんのフェイスブックを見て、目に留まったという。20日前に21歳の猫が死んだばかりでペットロス状態。「一緒に遊んでやりたい。私も頑張ろうと思えるし」と話しているうちに、もう1匹もらってくれることになった。

 夫婦は年末、県外で過ごすため、年明けに松岡さんが大豊町へ届け、完全室内飼いができる環境であるかを確認。「幸せになれる」と確信したら、トライアル開始となるという。ポンポンと4匹決定。「これは順調」と思った矢先、落とし穴が待っていた。(編集委員・掛水雅彦)

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カテゴリー: 社会助けて!わんにゃん社会


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