2018.07.29 08:40

南川百万遍祭の存続を 高知県土佐町出身者ら支援組織準備

数珠を舞堂に上げよう、上げまいとする担ぎ手の攻防に沸いた南川百万遍祭(高知県土佐郡土佐町南川)
数珠を舞堂に上げよう、上げまいとする担ぎ手の攻防に沸いた南川百万遍祭(高知県土佐郡土佐町南川)

 高知県土佐郡土佐町の南川(みながわ)地区に伝わる「南川百万遍祭」がこのほど、同町南川の大谷寺で行われた。長さ30メートル以上の大数珠を担いで男衆がひたすら舞堂を回る独特の祭り。近年は人口減に伴い、祭りの存続が危ぶまれていたが、地区の営みを残そうと支援組織立ち上げ準備も進んでいる。
 
 百万遍祭は、1331年に京都・知恩院の僧が100万回の念仏を唱えて疫病を収めた故事が由来とされ、かつては全国で行われていた。一般的な百万遍が円座になって数珠を送って回すのに対し、南川地区では人が担いで歩いて回す独特の形式。町史などでも、なぜそのような形になったのか定かでない。
 
 地区は現在、14世帯約30人が暮らす。数年前、住民や地区出身者による担ぎ手が減り、存続が危ぶまれたが、町役場の男性職員らが加わるようになり、活気が戻りつつある。
 
 今年は地区出身者と集落支援員が中心となって、外から地区を応援するグループ「瀬戸川ロマン」の発足準備も進んでいる。南川と近隣の下瀬戸、黒丸地区の出身者やファンらに呼び掛け、祭りや道役など地域の行事に参加してもらい、交流する計画という。
 
 22日に行われた今年の祭りは、出身者に案内を出し、例年より多くの人出でにぎわった。地区出身で香南市の水野良一さん(74)は「続けてほしい祭りだが、地区に残る人に託すのは酷かもしれない。『―ロマン』を通して出身者も協力したい」と話す。
 
 祭りは、大谷寺本堂隣にある舞堂で行われ、太鼓のリズムとともに約20人の男衆がタラの木をくり抜いて作った大数珠を担いで時計回りに舞堂を延々と回る。休憩して酒を飲み、また回る。次第に数珠を抱えて舞堂から落ちようとしたり、回すのを阻止しようとしたりする“はみかえり者”が出現。迫力ある攻防が繰り広げられ、見物客から歓声が上がった。
 
 太鼓をたたいた区長の竹政敬生さん(46)は「祭りは年に1度、地域の人が帰ってくるよりどころです」と笑顔で汗を拭っていた。(森本敦士)

カテゴリー: 社会文化・芸能嶺北


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