2018.07.22 08:30

[ふれあい高新in越知町]オダさん?コダさん? なぜ読み2通り

 高知県高岡郡越知町の中心商店街にある「小田電機店」を訪ねた。「ちょっとおうかがいしますが、こちらは…」

 「『こだ』です」

 「ところであそこにある『オダ美容室』さんは…」

 「あそこは織田さんで…」

 越知町では「小田」「織田」姓によく出くわす。人口約5800人の約3割を掲載する電話帳では、「小田(おだ)」6人、「織田(おだ)」16人、「小田(こだ)」48人。織田はともかく、小田の読み方はなぜ2通りなのか。

 「確かに『こだ』は越知に多い」と話すのは小田(こだ)保行町長。「僕も『こだ』に“こだ”わっちょります、なんて自己紹介したりしてね」

 ……。住民課で尋ねると「気にしたことないですねえ」。地元の史談会長によると、「小田」姓は宮地、楠神地区に多いが、詳細は分からないという。

 高知市出身の姓氏研究家、森岡浩さん(57)が作成した全国の名字ランキングでは「小田(おだ)」が182位。森岡さんは「全国的には圧倒的に『おだ』が多い。『こだ』が多い地域は珍しいんです」。

 越知はなぜ「こだ」率が高いのか。なぜ2通りあるのか。真相を探るべく、宮地地区に向かうと、小田(おだ)和実さん(66)、千恵さん(68)夫婦に出会った。いわく、「昔は『こだ』ばっかりやったと思う。私たちもしばらく『こだ』だったんです」

 しばらく?

 「三十数年前だったか。県外から帰ってきた兄が、あっちでそう呼ばれていたから『おだ』で通す、と。それで、じいさんが『おだ』にしようと決めたんです。それが近所にも広がって…」

 町外では当たり前のように「おだ」と呼ばれてしまう「小田(こだ)」さん。いっそのこと、「おだ」でいいと考えた人もいたというわけ。

 ちなみに千恵さんの旧姓は「織田」。「小田(こだ)」に嫁ぎ、「小田(おだ)」に呼び方が変わった立場からは「『おだ』の方が言いやすいので、いいんじゃないでしょうか」。こだわりは少なめでした。(大野泰士)
カテゴリー: 社会ふれあい高新2018社会高吾北


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