2018.07.22 08:30

[ふれあい高新in越知町] 本物以上の「花」追求 造花「岩や」

精巧な人工樹木がずらりと並ぶ「岩や」(越知町横畠南=飯野浩和撮影)
精巧な人工樹木がずらりと並ぶ「岩や」(越知町横畠南=飯野浩和撮影)
国内外から注文
 えっ、本物じゃないの!? 見た人の多くがそんな反応を示す造花メーカーが高知県高岡郡越知町にある。同町横畠南の「岩や」。従業員7人、お山の小さな業者だが、東京スカイツリーに製品を納入するなど、業界では押しも押されもせぬ存在だ。あなたがこれまで見てきた美しい造花。もしかしたら越知の山で生まれたものだったかも?

 コチョウラン、桜、オリーブ…。旧堂岡小学校舎を利用した社屋に、季節外れの花々が満開で“咲く”。何の魔法かと思いきや、全て人の手で作られた植物だ。

 代表取締役の岩川和弘さん(66)は「いろんな依頼があるから大変。朝から晩まで考えて、夢でうなされることもある」と笑う。

 作っているのはインテリア用の観葉植物から商用のクリスマスツリーまでさまざまで、注文は全国、世界から押し寄せる。テレビのバラエティー番組や、有名アーティストのライブ用としての受注もあった。サウジアラビアの王族から依頼を受けたこともある。

 岩川さんはもともと食品関係の会社を経営していたが、知人の紹介で造花のレンタルと卸を始め、15年ほど前、人工樹木の製造販売に転向。失敗を重ねながら改善を重ねた。

 例えば竹。本物の竹は染色して乾燥させると割れてしまうため、幹部分には繊維強化プラスチックを使い、人工物での再現が難しい枝のしなやかさなどは本物を使う。人工物と本物を組み合わせて、より本物に近づける。

 こうしたこだわりや、依頼主の注文に丁寧に応じる姿勢が業界で評判を呼び、取引先が広がったという。

 岩川さんは「うまくいくかは分からん。でも、どんな時もどこかに道があるし、諦めなければ人生は変わる。思った通りの物ができた時、お客さんの喜ぶ顔が一番うれしい」と顔をほころばせる。

 室戸市出身だが、「川のふちに住みだしたら、気持ち良くてほかには行けん」。山と川のそばで、今日も誰かの心を癒やす植物を生み出している。(森田千尋)

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カテゴリー: 社会ふれあい高新2018社会高吾北


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