2018.07.12 08:30

予土線復旧に2カ月超 高知県西土佐などで土砂流入 住民困惑

【参考写真】JR予土線の列車(四万十町琴平町の窪川駅、2015年12月撮影)
【参考写真】JR予土線の列車(四万十町琴平町の窪川駅、2015年12月撮影)
 JR四国は11日、西日本豪雨の影響で運転を見合わせている予土線に土砂が流れ込むなどの被害があり、「運転再開は早くても2カ月後になる」との見通しを発表した。職員が10日までに点検し、被災状況が分かったという。

 同社によると、土砂が流入したのは愛媛県宇和島市の北宇和島―務田(むでん)間、同県鬼北町の出目(いずめ)―松丸間、四万十市西土佐半家(はげ)の江川崎―半家間の3カ所。

 四万十市の現場は半家駅から江川崎寄りに約900メートルの地点。線路周辺に土砂が流れ込んでおり、同社は「流入は比較的小規模」としているが、線路脇の斜面約10メートル上部にある防護柵に崩れた土砂がたまり、運行の安全が確保できない状況だという。

 予土線ではその他、複数箇所で通信ケーブルの断線や踏切の電気系統の故障などが発生。さらに同社管内では、予讃線でも橋脚が傾いたり、斜面が崩壊したりするなど多数の被害が出ており、同社は「運転再開へ早急に復旧作業に取り掛かる」としている。(井上学)

「地域の足」 通学、観光にも影響
 JR予土線の運転再開まで2カ月超との発表に、沿線の高岡郡四万十町と四万十市では、住民らが困惑の表情を浮かべた。

 予土線は、1キロ当たりの1日平均輸送人員が340人と、JR四国の全路線の中で最少。それでも通学や通院、買い物などの「地域の足」で、生活への影響は避けられない。

 四万十町内では四万十、窪川両高校、窪川、大正両中学校で計15人が利用。現在は保護者の送迎や路線バスで通学しており、大正駅で迎えを待っていた四万十高3年の男子生徒は「親の負担も大変。鉄道の時間帯に合わせ、代替バスを出して」。

 四万十市によると、西土佐地域にも予土線で愛媛県鬼北町の北宇和高校へ通学する生徒もいるという。

 大正、十和、西土佐の各地域は、鉄道でつながる宇和島市は生活圏内。西土佐地域の女性は「通院が大変。タクシーはお金もかかるし…」。JR四国は、代替バス輸送について「現時点では未定」としている。

 高知、愛媛両県の沿線の道の駅や、海洋堂ホビー館四万十・かっぱ館(四万十町打井川)の関係者は「駅からは距離もあり、利用客はほとんどがバスか車。影響は少ないのでは」。ただ、「予土線3兄弟」で知られる観光列車は夏場が書き入れ時。道の駅「よって西土佐」(四万十市)の林大介駅長は「四万十川の一番良い季節を見てもらえないのは痛い」。

 県予土線利用促進対策協議会の会長でもある中尾博憲四万十町長は「四万十市とも歩調を合わせ、自治体独自の代替バス運行なども視野に入れて早急に協議したい」と話している。(横田宰成)

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カテゴリー: 社会西日本豪雨幡多災害・防災


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