2018.07.10 08:40

高知県四万十町からコメ新品種 「汢ノ川1号」生産者が開発

品種登録を喜ぶ「四万十米クラブ」の下元利文さん(左)と南部隆男さん=四万十町仁井田
品種登録を喜ぶ「四万十米クラブ」の下元利文さん(左)と南部隆男さん=四万十町仁井田
高知発7年ぶり登録 「食べた人を笑顔に」
 高知発のコメの新品種が7年ぶりに誕生した。高岡郡四万十町仁井田の生産者でつくる株式会社「四万十米クラブ」が手掛けた「汢(ぬた)ノ川1号」で、甘みとほのかな香りが特長。農林水産省が先月、登録を公表した。1978年の種苗法制定後、県の出願を除く品種登録例は高知大学だけ。開発から12年目での登録に、生産者は「長年の苦労が実った。日本一うまいコメにしたい」と意気込んでいる。

 同法制定後の「高知発」の品種登録は、県が開発した早場米「はつなのり」が第1号(94年)。育成者権が消滅した品種を除き、現在10種が登録されている。

 「汢ノ川1号」は、「神の香(かみのか)」の商標で流通している仁井田米の一つ。各地でコメのブランド化が進む中、数々の全国コンテストで受賞歴のある同社が「いつまでも仁井田米の名称だけに頼れん」と2007年に開発を始めた。

 中心となったのは社長の下元利文さん(73)と南部隆男さん(68)。地元米・十和錦を生んだ黄金錦の自然交配種を基に、成長が早く、高温障害に強い稲を研究してきた。11年に「神の香」として販売を始め、13年に地元の地名「汢ノ川」を冠して出願。国による5年間の試験栽培を経て登録された。

 品種登録は、いわばコメの「血統書」。原種特定や、質・収量が継続的に保てるかなどの条件がある。県の奨励品種「よさ恋美人」も4月に出願が公表されたばかりで、登録は数年後の見込み。多額の費用や手間もかかり、同省や県などによると、民間登録のハードルは高いという。

 ただ、登録品種を独占的に生産でき、ブランド化が図れるほか、育成権の利用料や譲渡料なども得られるなど、メリットは大きい。「神の香」も「その他うるち米」表記から、品種名を明記できるようになる。

 「汢ノ川1号」の年間収量は5~6トン。下元さんは「仁井田の新たなシンボル。食べてくれる人が笑顔になるコメにしたい」と期待している。(横田宰成)

カテゴリー: 主要社会高幡


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