2018.07.08 08:10

高知自動車道の橋梁 まさかの崩落 雨に強いはずが

道路部分が土砂に押し流され、橋脚だけが残った高知自動車道の上り線=奥(7日午後2時40分ごろ、大豊町立川上名=飯野浩和撮影)
道路部分が土砂に押し流され、橋脚だけが残った高知自動車道の上り線=奥(7日午後2時40分ごろ、大豊町立川上名=飯野浩和撮影)

 高速道路の頑強な橋が一夜で消えた―。7日未明、土砂崩れで崩落した高知自動車道の橋梁(きょうりょう)「立川(たぢかわ)橋」(長岡郡大豊町立川上名(かみみょう))は全長63・5メートル、高さは最大で12メートルあった。専門家は「こんな大崩落は初めて」「まさか」と驚きを隠さなかった。

 高知大学防災推進センター長の笹原克夫教授は「トンネルや橋梁は(土砂災害の)危険箇所を避けるために設置する。それが多い高知道は、雨に強いと思っていた」と驚く。

 笹原教授は「長雨は地滑りが活発化する。想定していない場所(の地面)が動き、想定していない外力が構造物に掛かったということ」と解説する。

 地滑りが起きた場所は立川トンネルの付近。「トンネルの入り口は安全な場所に造る。地形図からはこの場所で地滑りが起きるとは読み取れない」と指摘。立川トンネルの上や橋の南には地滑り地形があるといい「設計時に最善の努力をした跡が見える」とした。

 民間会社の地質技術者で、旧道路公団の検討委員として高知自動車道の建設に携わった上野将司さん(71)=さいたま市=は「大豊町は大規模地滑り地帯ではあるが、驚いた。土砂崩れによる高速道の橋の大崩落は、初めてではないか」。

 土砂は、トンネル近くの高さの低い場所を狙うようにして橋に襲いかかり、上部の道路部分に斜めから当たっているという。「道路になっている板の部分を複数枚、横から蹴り飛ばした形だ」

 崩落現場で写真を撮影した西日本高速道路・高知高速道路事務所の職員は「まさかこんなに大きな被害が」。

 事務所に戻り写真を見せると、所内が緊迫したという。「二次災害がいつ起こるかもしれない。危険な状況だが、一刻も早く全容をつかみたい」

 県の福田敬大土木部長は「まだ復旧のめどが立たない状況だが、生き残った下り線を活用するなどして、一刻も早く通行を確保してもらいたい」とした。


10メートル横の民家無事
 崩落現場の対岸、大豊町立川下名(しもみょう)の谷川房美さん(67)は7日午前2時半ごろ、「ゴオオオー」というごう音を聞いたという。

 夜が明けて対岸を見ると、高さ100メートル以上にわたって崩落。上りの高速道が消えていた。谷川さんは「どこにいても安全ということはないですよ」。

 現場の10メートル脇では、小川貞子さん(76)が1人暮らしをしていたが無事だった。

 嶺北消防本部署員らが7日昼ごろ、小川さんを家から担架で運び出し、町内の避難所に同行した。小川さんは元気という。(高知新聞取材班)

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カテゴリー: 社会西日本豪雨嶺北災害・防災


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