2018.07.05 08:35

意思疎通にロボット技術 ALS闘病の篠原さん(高知県東洋町)

ALSと闘う篠原糸美さんに届けられたロボット「OriHime」(写真はいずれも東洋町野根丁)
ALSと闘う篠原糸美さんに届けられたロボット「OriHime」(写真はいずれも東洋町野根丁)
ロボットから送られた映像を見る篠原さん
ロボットから送られた映像を見る篠原さん
入力文章読み上げ 映像観賞や写真撮影も
 筋萎縮性側索硬化症(ALS)で寝たきりの生活を強いられている高知県安芸郡東洋町の女性の元にこのほど、コミュニケーション用ロボットが届いた。東京都の企業が開発し、担当医師が導入を後押しした。パソコン画面の文字を見ると文章入力ができ、それを読み上げてくれるため、介護者との意思疎通がスムーズになる。ベッドに居ながらにして、ロボットのカメラで好きな景色を見ることや写真の撮影もでき、新しい“相棒”の登場を喜んでいる。

 同町野根丁の篠原糸美さん(62)。ALSは厚生労働省指定難病で、全身の筋力や運動機能が低下するなどの症状が出る。篠原さんは1984年に発症し、現在は家族の介護や室戸市の訪問看護ステーション「あすか」の看護を受け、新聞投稿やフェイスブックに日々の思いを精力的につづっている。

 ロボットは東京都三鷹市の企業「オリィ研究所」が開発した「OriHime」。篠原さんの療養に関わる徳島大学総合診療医学分野の河南(かわみなみ)真吾助教(35)が昨秋導入を提案した。

 高さ21・5センチ、インターネットでつながったパソコンで操作できる。同社によると国内外の福祉や教育の現場で300体弱が導入されているという。

 パソコン上の文字盤を視線で追って入力する関連機器「OriHime eye」を使い、仕上がった文章をロボットが読み上げる。文字盤を使う“会話”よりスムーズなやりとりが可能になる。

 6月28日に届き、現在は1カ月の試用期間。その間のリース料1万2500円は有志が援助し、使い勝手が良ければ継続使用も考えるという。

 導入初日には、篠原さんの息子らが同町の白浜海水浴場にロボットを運び、篠原さんに浜の風景を届けた。

 「白浜どうですか」との息子らの問い掛けに篠原さんは「―eye」で「いつものうみ(海)や」と笑顔で返した。河南助教は「画面を通して行きたいところに行け、会話ができる。難病患者の社会参画や自立につながる」と話している。(馬場隼)

カテゴリー: 社会医療・健康ニュース室戸


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