2018.07.04 08:36

ウミガメ太平洋横断か 高知県室戸で捕獲、メキシコ沖9年前標識

メキシコ沖から太平洋を渡ってきたとみられるアカウミガメ(6月27日、「むろと廃校水族館」提供)
メキシコ沖から太平洋を渡ってきたとみられるアカウミガメ(6月27日、「むろと廃校水族館」提供)
個体の特定につながった金属製の標識(6月27日、「むろと廃校水族館」提供)
個体の特定につながった金属製の標識(6月27日、「むろと廃校水族館」提供)
 太平洋を横断したとみられるアカウミガメが6月下旬、高知県室戸市室戸岬町の定置網に入った。同市室戸岬町の「むろと廃校水族館」の調査で、9年前にメキシコ沖で捕獲、放流された野生の個体と分かった。ヒレに付いた金属製の標識から特定した。野生のアカウミガメの横断確認は世界的に珍しいという。

 同水族館によると、6月27日に三津大敷組合の定置網にウミガメが入り、水族館へ。右前のヒレに付けられた金属製の標識に、米海洋大気局を示す「NOAA」の文字と個体番号が記されていた。

 標識の情報を基に、同水族館スタッフが現地の研究者に確認すると、メキシコ沖で2009年7月に捕獲されたアカウミガメの雌と分かった。9年前に55センチだった体長は80・7センチになっていた。同水族館が新たな個体情報を記した標識を付け、捕獲当日に放流した。

 同水族館を指定管理するNPO法人「日本ウミガメ協議会」(大阪府枚方市)はこれまで、室戸市で約4千匹のウミガメを調査。若月元樹館長によると、太平洋を横断してきたとみられる個体の確認は室戸では初。国内では13年の鹿児島県屋久島以来だという。
 日本、米国、メキシコの研究者らはアカウミガメ保護で連携しており、そうした体制が「今回のスムーズな確認につながった」(若月館長)という。

 北太平洋地域でアカウミガメの産卵地は日本だけで、ふ化後に米国やメキシコの周辺に渡り、産卵期に日本に戻ることが、施設で飼育していた個体の放流調査で推定されているという。若月館長は「(太平洋横断を)野生のウミガメで確認できた意義は大きい」としている。(馬場隼)

カテゴリー: 環境・科学室戸


ページトップへ