2018.06.28 08:40

国の重要文化財の太刀「国時」「康光」 高知に68年ぶり里帰り


里帰りした国重要文化財の「国時」(上)と「康光」。太刀拵えに徳川家の葵の紋が刻まれている
里帰りした国重要文化財の「国時」(上)と「康光」。太刀拵えに徳川家の葵の紋が刻まれている
 掛川神社(高知市薊野中町)が所有する国重要文化財の太刀「国時」「康光」がこのほど、寄託先の東京国立博物館から68年ぶりに里帰りした。土佐藩主が奉納したと伝わる2振りは鎌倉~室町期の作。今後は保存環境の整った県立高知城歴史博物館に寄託・保管され、同館で12月7日から来年2月3日にかけて公開される予定。 

 掛川神社は、1641年、山内家が治めていた静岡県掛川市の神社から神霊を勧請(かんじょう)して2代藩主・山内忠義が創建。社宝の太刀2本は、1950年に保存環境を考慮して東京国立博物館に寄託したという。

 里帰りは、高知城歴史博物館から同館での保管展示の相談を受けた神社の宮司、別役重具さん(70)が、「高知の貴重な文化財を地元で保管したい」と東京国立博物館に打診して実現した。

 「国時」(刃渡り78・8センチ)は鎌倉後期の刀工・延寿(えんじゅ)国時の作で、忠義が奉納。「康光」(刃渡り82・8センチ)は室町初期の長船(おさふね)康光の作で、10代藩主豊策(とよかず)が奉納したと伝わる。

 奉納時に作られたとみられる太刀拵(ごしら)え(刀身を収める柄(つか)や鞘(さや)など)には、蒔絵(まきえ)細工が施され、徳川家康を祭る東照宮のある神社にちなんで徳川家の葵(あおい)の紋が刻まれている。

 13日に東京で梱包(こんぽう)された際、初めて太刀に触れた別役さんは「細身の刀身で、拵えは非常に精緻なつくり。2振りそろった状態で見てもらいたいと思った」という。

 太刀は文化庁の許可を受けて美術品専用車両で運ばれ、15日に高知城歴史博物館の収蔵庫に納められた。

 渡部淳館長は「奉納の経緯や太刀の特徴を詳しく調査して、公開に備えたい」としている。(楠瀬慶太)

カテゴリー: 文化・芸能高知中央


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