2018.06.22 08:00

【危険ブロック塀】地域と連携し安全対策を

 震度6弱の揺れが襲った大阪府北部地震で、ブロック塀の危険性と、その安全対策の緊急性が改めてクローズアップされている。
 高槻市の市立小学校のプールのブロック塀が約40メートルにわたって道路側に倒壊、登校中だった4年生女児が下敷きになり亡くなった。塀は、建築基準法によるブロック塀の安全規定に違反していた。
 ブロック塀の倒壊は過去の震災でも相次ぎ、安全対策が求められてきたが、子どもたちの命を守るとりでであるべき学校で違法状態が放置されていた。強度を確保するための鉄筋の不足も指摘される。被害は予見できた可能性がある。
 文部科学省は全国の自治体に幼稚園や小中高校の緊急点検を要請した。高槻市では他にも複数の学校で安全基準に満たないブロック塀が確認された。なぜ、これまで見過ごされてきたのか。市の責任が厳しく問われそうだ。
 倒壊した塀は高さ1・9メートルの基礎部分の上に積み上げられていた、1・6メートルのブロック部分だった。塀全体の高さは計3・5メートルになり、建築基準法施行令の高さ制限2・2メートルを超えていた上、高さが1・2メートルを上回る場合に必要な「控え壁」の補強もなかった。
 ブロック塀などの倒壊で子どもら18人が亡くなった1978年の宮城県沖地震をきっかけに、安全基準が厳格化され、高さ制限も3メートルから引き下げられた。だが、改修や安全対策は行き届かず、その後の地震でも倒壊例が多発。2年前の熊本地震でも1人が犠牲になった。
 全国の公立小中学校では校舎や体育館などの耐震化が進められ、昨年4月時点で耐震化率は98・8%(高知県97・8%)に達する。半面、ブロック塀などの点検や倒壊防止対策は十分に手が回ってこなかったのが実情だ。
 高知県内でも昨年8月の全小中学校の調査で、計490カ所のブロック塀のうち9・4%の46カ所が「危険」と判定され、4割余りの203カ所は「精密な調査が必要」とされた。今回の震災を受け、各自治体は対応が一層急がれる。
 学校に限らず、民家などのブロック塀の倒壊は住民の避難路や救出ルートをふさぐ恐れも強い。
 本県などもフェンスへの変更や改修の助成制度を設けているが、71年の建築基準法施行令改正前の塀は改修の義務付けがなく、所有者に委ねられるため、強度不足のままの塀が少なくない。日常の通勤通学路や生活道に潜む危険箇所を知ることも防災の第一歩になる。
 宮城県では教訓を忘れず、地域を巻き込んだ塀の防災対策が進み、東日本大震災で減災につながったという。法整備や予算措置と合わせ、国や自治体は住民とも連携した実効性のある安全対策を迫られている。
カテゴリー: 社説


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