2018.06.21 08:31

【いのぐ】南海トラフ地震「警戒情報」の活用法探れ

警戒情報をどう生かすかの議論が進む(5月17日、黒潮町入野)
警戒情報をどう生かすかの議論が進む(5月17日、黒潮町入野)
  気象庁が昨年11月から運用を始めた「南海トラフ地震に関連する情報」(警戒情報)。南海トラフ地震が発生する可能性が高まった時に発表するということだが、情報が出たらどう動けばいいのか、自治体はどんな対応をするのか。静岡県とともに国のモデル地区に選定されている高知県室戸市と幡多郡黒潮町で進む警戒情報をどう取り扱うかの検討現場を紹介する。

高知県内2地域で検討進む
 警戒情報が発表される「南海トラフ地震が発生する可能性が高まった時」とはどんな時なのか―。

 気象庁などが想定しているのは、(1)南海トラフ地震の想定震源域(地震で岩盤の破壊が想定される区域)の東側で東海地震や東南海地震が発生(2)想定震源域でマグニチュード(M)6(または震度5弱)以上の地震が発生―したケースなど。過去の観測データなども加味して判断し、最短で2時間後に警戒情報を発表する。

 ただ、現段階で確定しているのは「警戒情報が発表される」ということだけ。情報を受けて誰が、いつ、どんな動きをするかははっきりしていない。例えば警戒情報を受けて市町村が住民に避難勧告などを出したとしても、避難期間をいつまでとするかなどの指針がないため、自治体にも困惑があるようだ。

 政府の中央防災会議は効果的な避難に向けた指針を作成する予定で、3月には南海トラフ地震で被害が予想される地域を対象にアンケートを行った(29都府県707市町村が対象)。その結果、住民に避難発令する必要があるとした自治体は約8割。ただ、残る2割は避難勧告などの発表を「検討する必要がない」とした。

 中央防災会議のワーキンググループの委員を務める高知県の尾﨑正直知事は「情報を生かせば人を救える可能性は大幅に高まる」として、情報を積極的に活用すべきだとの姿勢を示している。県は現段階で想定している行動として、自主避難したい人は受け入れる▽津波到達までの時間が短い地域の要支援者らには自主避難を呼び掛ける―ことなどを提示。中央防災会議の指針に先立ち、高知県内の統一指針づくりに取り組んでいる。

【室戸市】「避難したい」住民多数
 室戸市では佐喜浜町と室戸岬町で会合を開き、住民アンケートを実施した。

 「三重県沖でM7の地震が発生。高知県内は震度3の揺れで津波の恐れはない。そんな中で警戒情報が発表された」。室戸岬町ではそんな状況設定。...

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カテゴリー: いのぐ社会災害・防災


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